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宝塚記念でマリアライトが完全開花。
大事に、我慢で育てられた新女王。
posted2016/06/27 11:20
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
6頭のGIホースを含む17頭が出走した第57回宝塚記念(6月26日、阪神芝内回り2200m、3歳以上GI)を制したのは、蛯名正義が乗る8番人気の牝馬マリアライト(5歳、父ディープインパクト、美浦・久保田貴士厩舎)だった。
牝馬による宝塚記念優勝は、1966年のエイトクラウン、2005年のスイープトウショウに次ぐ3度目。1番人気のドゥラメンテは2着に敗れ、ゴール入線後、左前肢ハ行を発症したため、今秋の凱旋門賞出走を断念することになった。
重で始まった芝コースは、第5レースから稍重に。その後も陽射しを受けて少しずつ乾いたものの、メインの宝塚記念のときも稍重のままだった。開催最終日なので掘れているところもあったりと、力のいる馬場状態になっていた。
キタサンは「思いどおりのレース」をしたが。
おおかたの予想どおり、序盤からハナに立ったのは、2番人気に支持された武豊のキタサンブラックだった。ワンアンドオンリーやトーホウジャッカルらが迫ってきたため、1000m通過が59秒1と馬場状態を考えるとやや速い流れになったが、おそらく武は、他馬に突っ付かれなかったとしても淀みのないペースをつくり、後続になし崩しに脚を使わせようとしただろう。
キタサンブラックが先頭のまま直線に入り、ラスト100mあたりまでは逃げ切り濃厚に見えた。
しかし、ゴールまであと数完歩というところで、外から追い込んできたマリアライトとドゥラメンテにかわされた。
「思いどおりのレースができた。ラストもよく辛抱してくれた。惜しかった。もうちょっとでしたね」と武はサバサバした表情で語った。
マリアライトの勝ちタイムは2分12秒8。ラスト3ハロンをメンバー最速の36秒1でまとめたドゥラメンテが首差の2着。鼻差の3着がキタサンブラック、以下ラブリーデイ、ステファノスとつづいた。