フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
国際スケート連盟で22年ぶり新会長。
匿名ジャッジ廃止などルール変更も!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph bySports Graphic Number
posted2016/06/15 07:00
クロアチアのドブロブニクで行われた第56回総会と選挙の結果を知らせるISU公式サイト。写真左がチンクワンタ元会長、右がダイケマ新会長。
アスリートによるISU運営参加に好意的な新会長。
ダイケマ氏の任期は2年の予定だが、彼の就任インタビューのコメントを読んで希望が持てたのは、彼が「アスリート委員会」に好意的な姿勢を見せていることだ。
この総会でアスリート委員会の設置が決定されたのだ。
次のシーズン中に選手の中からアスリート委員を選抜し、選手たちの代表としてISUの中で投票権を持つことになったのである。APの報道によると、ダイケマ氏は、次のようにコメントしている。
「決定ごとに対してアスリートたちも参加するのは大事なこと。また長期的に見ると、将来のISUオフィシャルを育成することにもなる。プロセスを理解し、どのようにして決定ごとがなされているのか、体験できる。若い人たちにとって良いスタートになると思う」
ジャッジの匿名制度、ついに廃止へ!
このISU総会では、再び大幅なルール改正が行われた。
中でも重要なのは、ジャッジの匿名制度の排除が決定したことである。
新採点方式の中でもっとも批難されてきたのは、このジャッジ匿名制度を導入したことで、チンクワンタ氏がことさら強く支持していた。
どのジャッジがどのスコアを出したのかわからなくすることで、「ジャッジが自国の連盟や選手側からプレッシャーを感じることなく思った通りに採点ができる」と賛成派が主張する一方で、「採点を匿名にすることで不正がやりやすくなる」と反対派は主張してきた。
ベテランジャッジでISUレフリーの資格も持つドイツのシシー・クリック氏は、以前単独取材にて「私は自分の出す採点に誇りを持っているので、匿名である必要は感じない」と断言していた。彼女のように、自分の採点には責任を持ちたいとするジャッジの声が多数派になったのである。
この採点匿名制度の廃止は、この秋のシーズンから施行される予定だという。