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清武弘嗣は「代表の中心」になるか。
過去最高のしゃべりとチーム意識。
posted2016/06/10 11:40
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Takuya Sugiyama
「これまでの代表の試合のなかで一番しゃべった試合でしたね。相手に点を決められた時でも、モチベーションをあげるために声を出していたので。そういう意味で、自分の意識も少しずつ変わってきているのかなと思います」
6月3日のブルガリア戦をおえて、清武弘嗣はそう話していた。
「アピールというよりは、自分が引っ張っていかないといけないという立ち位置だし、年齢だし、そういう意味では今日はすごく気合いが入っていましたね」
日本代表で清武が前回先発したのは、3月のアフガニスタン戦だった。本田圭佑も香川真司もベンチからスタートするなかで、自身の決めた1ゴールを含め、4ゴールを演出していた。
そして、本田の欠場した今回のブルガリア戦では左FWでスタートし、香川が怪我で退いたあとはトップ下に回った。この試合でも3ゴールに絡んだ。
もちろん、チャンスメイクだけではない。アジアレベルではなくW杯本大会のレベルに対応するために、何気ないパスでもスピードのあるボールを出してみたり、監督から強く求められるデュエルでの強さを体現すべく高い位置で相手におそいかかり、ボールを奪ってみせたりもした。
自分が引っ張るチーム、という視点。
ただ、この日の清武が一番大きく違ったのは、チームと自分がイコールで結ばれていたことだ。もちろん、自分がどうしたいかにチームをあわせるという意味ではない。チームを自分が引っ張って上に行くためにどうすればいいのかという視点にたっていた。
「今回は圭佑くんがいないなか、『そういうときの日本代表はどうなの?』という目で見られていたし、これで崩れるようではダメ。誰かがミスをしたら次にカバーするという風にもっていかないと、日本代表の底上げは難しいと思う。やっぱり、代表が強くなるためには、誰が出ても良いサッカーが出来ないと」