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競馬界で一人勝ちの超巨大牧場。
ノーザンファームの内部に潜入!
posted2016/05/24 12:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Asami Enomoto
日本ダービーを特集したNumber902号では、他牧場の追随を許さないその進化の秘訣に迫っている。
「予定の時間、間に合うかな……」
北海道で車を走らせながら、ふとそんな事が頭に浮かんだ。ナビ通りに道を進み、目的地にはたどり着いた。
たどり着きはしたのだが、その敷地があまりにも広いのだ。いつまでたっても約束の場所に到達しないのである。
「ノーザンファームに行ってみたら、とにかく驚くと思うよ。こことは全く違うから。同じ牧場といってもやっている事の規模が違う。あそこまで巨大な牧場だと風景も全然、違ってくるからね」
以前、取材に伺ったある牧場の方から、そんな言葉を聞いていた。だから何となく「広い」というのは知っているつもりだった。だが、総面積で東京ドーム約255個分の敷地を持つ巨大牧場の広さは、その想像の遥か上を行っていた。
ダービー出走予定馬の過半数の生産地。
アジュールローズ、イモータル、サトノダイヤモンド、プロディガルサン、プロフェット、マウントロブソン、マカヒキ、リオンディーズ、レインボーライン、レッドエルディスト――。
ディープインパクトを育てた池江泰郎元調教師をして、「史上最高レベル」と言わしめる今年の3歳馬たち。過去に類を見ない最高レベルの年にあってなお、出走18頭の半数を超える上記10頭のダービー出走予定馬をノーザンファームがここで生産されている。今季、ここまでの重賞勝利数も全体の半数を超え、まさに競馬界で一人勝ちの様相を呈している。
その強さの秘密を紐解くべく、苫小牧市と早来町にまたがる巨大牧場を訪ねた。冒頭のようにその広さに圧倒されながら、ようやく時間ギリギリでたどり着いたのが、ノーザンファームの象徴でもある長距離屋内坂路の展望室だ。