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Jリーグに大物選手を呼ぶ方法はある!
彼らが年俸減を受け入れる条件とは。
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph byAFLO
posted2016/05/23 10:30
アジア最大のクラブになった広州恒大にとっても、スコラーリの招聘はステータス向上の大きな転機となった。
欧州から他地域への流出傾向はある。
トップ選手の年俸について、さらに詳しく分析してみましょう。
下のグラフは、年俸上位100位までの選手たちの属性を、「2010-2011シーズン」と「2014-2015シーズン」とで比較したものです。選手の属性は「欧州5大リーグ所属」、「5大リーグ以外の欧州・南米リーグ所属」、「それ以外のリーグ所属」の3つに分類しています。
2010-2011シーズンは100人中94人が「欧州5大リーグ所属」だったのに対して、2014-2015シーズンでは、その数は80人にまで減少。一方、「5大リーグ以外の欧州・南米リーグ所属」の選手が4人から7人へ、「それ以外のリーグ所属」の選手にいたっては2人から13人へと大幅に増えていることが分かります。特に中東や中国、アメリカ(MLS)のリーグに高額年俸選手が流出している傾向が顕著です。
的確にターゲティングすれば、大物も獲れる。
さらに細かく選手の動向をチェックすると、興味深い事実に突きあたりました。
2010-2011シーズンの年俸上位トップ100人のうち、2015-2016シーズンの時点ですでに現役を退いている選手は24人。残りの76人のうち、半数にあたる38人が当時より低い年俸でプレーしています。
つまり、Jリーグも的確なターゲティングを行えば、数年後、現在より低い年俸で大物選手を獲得できる可能性があるということになります。
そこでまず着目すべきは、「リーグのレベルを欧州・南米以外のリーグへ落とし、かつ年俸ダウンを受け入れている層」です。このカテゴリーには以下の7選手が該当しました。
ダビド・ビジャ バルセロナ(リーガ) → ニューヨークシティ(MLS)
カカ レアル・マドリー(リーガ) → オーランドシティ(MLS)
フランク・ランパード チェルシー(プレミア) → ニューヨークシティ(MLS)
ディディエ・ドログバ チェルシー(プレミア) → モントリオール・インパクト(MLS)
アンドレア・ピルロ ミラン(セリエA) → ニューヨークシティ(MLS)
ニコラ・アネルカ チェルシー(プレミア) → ムンバイシティ(インド)
フローラン・マルダ チェルシー(プレミア) → デリー・ディナモス(インド)