矢島「他の選手と同じことをしても意味がない」

「生き残るためには、まず点に絡みにいくこと。そこで他の選手との違いを見せること。その意味ではサイドで点が取れたのは大きかった。もうひとつは後半途中でボランチに入ったけど、複数のポジションができること。

　ただできるだけじゃなく、質の高いプレーをしないと意味がないけど、この試合は課題が多かった。たとえば後半、相手のカウンターが出始めた時、最初の起点のところを潰し切れなかった。あと、ボランチに入った時にこそ点を取りたかった。岡山での試合から意識してやってきているので、そういう部分をクリアしていければメンバー18名に入る確率が高くなるのかなと思います」

　矢島は「他の選手と同じことをしても意味がない」という。確かに違いをどれだけ見せられるのかが、リオへの切符を手にする一番てっとり早い方法だ。「2得点」と「ボランチ」で違いを見せてサバイバルの第1関門を突破したと言えるが、中島翔哉が背負っていた10番を本当に自分のモノにできるかどうかはトゥーロン国際大会が正念場になる。

富樫敬真も、浅野との相性の良さを証明。

　富樫敬真（横浜FM）もサバイバルの第1関門を突破したと言える。

　ゴールはもちろんだが、目を引いたのが浅野とのコンビネーションだ。試合前、手倉森監督と浅野と3人で、片方が落ちたら片方が裏を狙うプレーなどについて話し合い、自分の中で整理したという。そのおかげか、初めてコンビを組んだとは思えないほど前後にうまく機能していた。前半30分のゴールも、富樫が浅野のパスを“感じて”生まれたものだ。

「ゴールは、（浅野から）スルーしてもらえるなって感じだったので、待っていたら本当に来た。GKも前に出て食い付いてきたのが見えたので、ループできるかなと。トラップが大きめだったんですけど、冷静に決められてよかったです。（浅野とは）うまくいく時ともっとやれた部分があった。正直、もっと一緒にやりたいなぁって思いました」

　そう語る表情は、今後の可能性について手応えを感じた充実感が広がっていた。

　富樫は、ガーナ戦がこの代表での初試合であり、初スタメンでゴールを決めた。昨年、強化指定選手としてリーグ戦初出場したFC東京戦でヘディングゴールを決めるなど、初陣は強い。「ビギナーズラックで片付けられないようにコンスタントにつづけていきたい」と気を引き締めていたが、矢島同様に“持っている”選手なのかもしれない。

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