沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
ディープ産駒と1番人気が勝てない?
役者は揃ったが天皇賞・春は2強!
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2016/04/30 08:00
好位につけた上で上がり3ハロンでも早いタイムを出す、という盤石の競馬がここでも再現されるか。
ディープ以来、1番人気は9連敗中。では……?
ところで、人気というのは馬券を買うファンが決めるものだから、陣営はさほど強く意識しないものだが、それでも、ひとつの評価として「1番人気になりたい」と思うこともあるし、「1番人気で勝つ」ということがステイタスになることも確かだ。
なぜこんなことを言い出したのかというと、この春天に関しては、2006年のディープインパクトを最後に、1番人気に支持された馬が9連敗を喫しているからだ。対照的に、2番人気になった馬は過去10年で4勝('07年メイショウサムソン、'10年ジャガーメイル、'13年フェノーメノ、'15年ゴールドシップ)もしているのだから面白い。
ゴールドアクターとキタサンブラックのどちらが1番人気になるか。ゲートが開く前の楽しみとして注目したい。
トーホウジャッカルには一発があるかも。
ゴールドアクターに有馬記念と日経賞でともに2着と肉薄したサウンズオブアース(牡5歳、父ネオユニヴァース、栗東・藤岡健一厩舎)も上位に来そうだ。重賞で6回も2着になっているように勝ち切れないが、そのぶん大きくは崩れない。
そのサウンズオブアースとゴールドアクターを2、3着に下して菊花賞馬となったトーホウジャッカル(牡5歳、父スペシャルウィーク、栗東・谷潔厩舎)は、ここに来てようやく順調さをとり戻してきた。一発あってもおかしくない。
前哨戦の阪神大賞典を完勝したシュヴァルグラン(牡4歳、父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)はヴィクトリアマイルを勝ったヴィルシーナの下という底力のある母系だし、ハーツ産駒らしい成長力がある。
ほかで上位に来そうなのは、ダイヤモンドステークスを圧勝したトゥインクル(牡5歳、父ステイゴールド、栗東・牧田和弥厩舎)、重馬場で12着にドカ負けした前走の京都記念を「なかったこと」にすれば強いレーヴミストラル(牡4歳、父キングカメハメハ、栗東・高野友和厩舎)、叩き3戦目のタンタアレグリア(牡4歳、父ゼンノロブロイ、美浦・国枝栄厩舎)あたりか。