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ディープ産駒と1番人気が勝てない?
役者は揃ったが天皇賞・春は2強!
posted2016/04/30 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
2世代の菊花賞馬、5連勝中のグランプリホース、そして前哨戦を圧勝した上がり馬……と、今年の第153回天皇賞・春(5月1日、京都芝外回り3200m、4歳以上GI)も役者が揃った。
1番人気に支持されるのは、昨年7月の1000万下特別、準オープン、アルゼンチン共和国杯、有馬記念、そして今年の日経賞と5連勝中のゴールドアクター(牡5歳、父スクリーンヒーロー、美浦・中川公成厩舎)か。
5連勝の内容は文句なし。特に前走、先を見据えた仕上げで、しかも58キロを背負いながら斤量の軽いライバルたちを一蹴した日経賞は圧巻だった。新王者の地位が固まりつつあることを印象づけた。
状態は、いい意味での平行線。京都への輸送は2年前の菊花賞(3着)で経験済で、中川調教師も「そのとき思ったほど体重が減らなかったので、今回も心配していない」と話している。
6連勝で春天制覇となると、1988年のタマモクロス以来28年ぶりの快挙となる。タマモは次走の宝塚記念も勝ち、秋天で同じ芦毛のオグリキャップを下し、GI3連勝を含む8連勝を遂げた。競馬史に残る「芦毛対決」でターフを沸かせた名馬に肩を並べるか、注目の一戦となる。
昨年の菊花賞馬キタサンブラックも順調。
史上最多の春天6勝を挙げている「平成の盾男」武豊が乗る昨年の菊花賞馬キタサンブラック(牡4歳、父ブラックタイド、栗東・清水久詞厩舎)も、ひょっとしたら1番人気になるかもしれない。
母の父がスプリント王のサクラバクシンオーということで距離を不安視されながら、「強い馬が勝つ」と言われている菊花賞を完勝。つづく有馬記念でもコンマ1秒差の3着と力を見せた。
前走の大阪杯は同い年のアンビシャスに首差だけかわされたが、相手が56キロだったのに対し、こちらは58キロを背負っていたぶんだろう。それでいて、ショウナンパンドラ、ラブリーデイ、イスラボニータ、ヌーヴォレコルトといったGIホースに先着したのだから、立派だ。
ここでもおそらく、前々で立ち回ることのできる機動力を生かしたレースをする。ゴールドアクターも、そう離されない好位で競馬をするだろうから、見応えのある攻防が期待できそうだ。