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マイケル・ジョーダンオーナー歓喜!
ホーネッツ、プレイオフ1勝までの道。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2016/04/29 10:50
プレイオフでの活躍をベンチ脇で喜ぶジョーダン(写真は2勝目。4月28日現在では3勝に!!)。来年はオールスター戦も地元シャーロットで開催予定だ。
「リーグで一番、下で働きやすいオーナーだ」
ジョーダンは、少し前にCBSスポーツのインタビューに答えて、それまでのオーナーとしての経験によってチームとの向き合い方がどう変わってきたかについて、次のように語っていた。
「チームに自分のDNAをいれられるようになった。自分なりの案を組み込めるようになった。自分なりの要求ができるようになり、これまでと違ったリーダーシップを示すことができるようになった」
当初、オーナーになる前からの自分の仲間ばかりをチームの首脳陣に集めているとか、シーズン中もシャーロットにいることが少なく、オーナーとしての顔が見えないなどと批判されたこともあったジョーダンだが、2011年に他チームでのGM経験があるリッチ・チョーをGMに迎え、本格的にシャーロットに住み、試合を自分のオフィスやボックス席ではなくベンチ隣の席で見て、応援するようになった。その結果、今では、そういった批判の声も聞かれなくなった。
クリフォード・ヘッドコーチは、ジョーダンほど働きやすいオーナーはいないと言う。
「マイケルは色々な意味で、リーグ中で一番、下で働きやすいオーナーなのではないかと思う。バスケットボールのこと、リーグのこと、どう準備するべきなのか、選手たちがどういった経験をするべきかなど、すべてを理解している。競争心は強く、勝ちたいと思っているけれど、勝つことがどれだけ大変かということも理解している」
クリフォードのもとには、ジョーダンから頻繁にテキストメッセージで、試合を見ての意見やコメントが届くという。しかし、そのメッセージと共に、「自分はこう思うけれど、コーチはあなただ。自分のやりやすいようにやってほしい」と付け加えられているという。
「マイケルからの意見も、そして、彼の私に対する姿勢も、どちらもとてもありがたいと思っている」とクリフォードは言う。
ジョーダンとユーイングからアドバイスが!?
このプレイオフ1回戦でも、マイアミ・ヒート相手に敵地での2試合に敗れてホームに戻ったとき、ジョーダンと、アソシエイト・ヘッドコーチのパトリック・ユーイングから、それぞれ別のタイミングで、213cmの長身ルーキー、フランク・カミンスキーをもっと起用し、ポストアップさせたらどうかと提案があった。
「殿堂入りの2人からそう言われたら、それは、フランクをポストアップさせるさ」と、クリフォード・ヘッドコーチは第3戦に勝利した後に笑った。