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桜花賞を呆れる強さで勝って欲しい。
“絶対的一強”メジャーエンブレム。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/04/09 08:00
父はディープインパクト、母系の血統を見るとスタミナも十分な気配。牝馬三冠まで視野に入れて初戦に挑む。
トライアル上位組も、実は粒ぞろい。
相手候補の筆頭は、トライアルのチューリップ賞を、これもレースレコードの1分32秒8という速いタイムで制したシンハライト(父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)ではないか。出走馬中唯一の無敗馬で、父ディープ譲りの成長力、全兄にラジオNIKKEI杯2歳ステークスを勝ったアダムスピークなどがいる底力のある母系、GIの勝ち方を知る厩舎、勝負強い主戦の池添謙一、4年連続で勝ち馬の出ているローテーション……と、勝っても不思議ではない要素が揃っている。
チューリップ賞でシンハライトと馬体を併せて叩き合い、鼻差の2着に惜敗したジュエラー(父ヴィクトワールピサ、栗東・藤岡健一厩舎)も、切れる。過去3戦すべてで上がり3ハロン最速をマークしており、本番でも、腹を括った後方待機策で一発を狙ってくるだろう。
チューリップ賞で3着だったラベンダーヴァレイ(父ディープインパクト、栗東・藤原英昭厩舎)も、全兄にレパードステークスを勝ったボレアス、弥生賞を勝ったカミノタサハラなどがいる母系から、激戦を闘い抜くタフさを受け継いでいるように見える。
もうひとつのトライアルであるフィリーズレビューを制したソルヴェイグ(父ダイワメジャー、栗東・鮫島一歩厩舎)も、まだメジャーエンブレムと手合わせしていない。2着だったアットザシーサイド(父キングカメハメハ、栗東・浅見秀一厩舎)は阪神ジュベナイルフィリーズでメジャーの5着に敗れているが、末脚に磨きをかけている。
桜花賞最多の5勝を挙げている武豊が乗るレッドアヴァンセ(父ディープインパクト、栗東・音無秀孝厩舎)も、ラストの瞬発力はかなりのものだ。
ここを、呆れるほどの強さで勝ってほしい。
そろそろ結論。
◎メジャーエンブレム
○ラベンダーヴァレイ
▲ジュエラー
△シンハライト
×レッドアヴァンセ
注アットザシーサイド
チューリップ賞を1分32秒台で走った2頭は、反動が少し心配なので、久々となったそこで3着になったラベンダーを上にとった。
メジャーエンブレムには、ここを呆れるほどの強さで勝ってほしい。そして秋には、マカヒキやサトノダイヤモンドら同世代の牡の化け物と闘い、「どっちが強いのだろう」とワクワクさせてもらいたい。