松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹が最高の状態でマスターズへ。
特別に見せてくれたヤーデージブック。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2016/04/07 11:40
進藤大典キャディが特別に見せてくれたヤーデージブック。昨年(奥)と今年のものではまったく異なっているのが分かる。
進藤キャディが特別に見せてくれたヤーデージブック。
「いやあ、今年はマンホール(スプリンクラーヘッド)の数がすごく増えているんですよ。そこ(蓋の上)から(ピンやグリーンエッジなどを狙う)可能性のある距離をヤーデージブックに書きこんでいるんです。でもグリーンの形はさまざまだから、当たり前の位置以外のところまで何ヤードとか、そういう数字も測って書いておきたい。ショットを曲げた場合に転がり込むかもしれない茂みの陰とか、そういうところにはマンホールもないので、あらかじめ、この茂みの裏からバンカーやフロントエッジ、ピンまで何ヤードなのか、万が一のときにヒデキから咄嗟に聞かれても、ちゃんと提供できるようにしておきたいんです」
進藤キャディが手にしていた、昨年と今年の2冊のヤーデージブック。今年のそれには、昨年より格段に増えたマンホールの数分、豆粒のように細かい数字がぎっしり記入されていた。それでもなお進藤キャディは、レーザー距離計で測ったり歩測したりしながら、万が一に備えた数字をさらに書き加えていた。
それは松山にとって万全なサポート体制、心強い援護射撃になる。だが、それだけではない。松山がコースチェックを進藤キャディだけに任せたことは、選手とキャディの分業化がしっかりなされ、それぞれがいい準備を順調に進めていけていることの表われだったと言っていい。
「これも、いいサインだな」
そう感じられた昼下がりだった。
ビジェイ・シンらとなら普段通りにできる。
日本メディアに取り囲まれた松山は、いつもと同じように、終始、「いつもと同じです」「普段通りです」を繰り返していた。
予選2日間をともに回るのはビジェイ・シンとクリス・カーク。
「2人とも回ったことはあるし、やりにくいことはないし、普段通りできるかな」。
アマチュア時代を含めて5度目のマスターズ。初めて気が付いた新発見なんて、ありませんか?
「無いです。(芝も)いつもと同じです」