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今宮健太、オープン戦は打撃不調も、
フォーム改造と肉体強化で期待大!
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/03/25 08:00
3月9日の巨人戦では本塁打を放った。オープン戦での打率は低調だったが、ツイスト打法と筋力アップで強打者復活なるか。
甲子園では154キロ速球、通算62本塁打。
甲子園のマウンドでは最速154キロの快速球を投げ込み、打っては通算62本塁打をかっ飛ばした。身長171cmの小柄な体格を感じさせないパワフルなプレースタイルで人気を博した。
小さな巨人。
そう呼ばれ、自らもそのキャッチフレーズを好み、プロに入団して間もない頃は「体が小さくても関係ない。そんなプレーを見せたい」と意気込んでいた。
「いや、もうホームランで目立とうとは思っていません。最初の頃はその願望を捨てきれませんでしたが、一軍で試合に出始めてからは全然です。僕のパワーじゃ全く歯が立たない(苦笑)。あくまでも甲子園は甲子園、過去にすぎないです。62発打てたのは確かにいい思い出ですけど、それを甦らせようとは一切思っていません」
それでも今年、今宮の体つきが少し逞しくなったように見える。
体重5キロ増、強い体を作った。
「去年に比べて体重が5キロほど増えました。とくに体重を増やすつもりはなかったんですが、ウエイトトレーニングを本格的に取り入れたのとしっかり食事をとったことで、自然と増えました。強い体を作りたいというのがメイン。長打を求めたわけではありません。ただ、力がついてしっかりバットが振れる。打球も速くなったと思います」
キャンプ中の練習、そして紅白戦と成果を感じさせるものがあった。しかし、オープン戦では32打数3安打で打率.094と振るわない。
「まだやりたいことが染みついていない。いい形で毎打席打てるようにしていかないと」
だが、落ち込むことはない。じつは一昨年.379、昨年.333とオープン戦では好結果を残したものの、シーズンに入って低迷した。
「去年まではその状態を維持していこうという気持ちでシーズンに入ってしまった。僕はまだまだレベルアップしていかないといけない立場ですからね。結果に関係なく、そしてシーズンが始まっても、ずっと上を向いてやっていきたい」
能ある鷹は爪を隠す――?
今宮にとってはそんな予兆となってくれればいいのだが。