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本田圭佑の右サイドハーフは見納め?
FWの故障で好調の4-4-2に終了気配。
posted2016/03/14 18:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
ミランが突然、失速した。
前節サッスオーロ戦で0-2と完敗したミランは、仕切り直しを誓ったはずの日曜のキエーボ戦でも、まさかのスコアレスドローに終わった。
MF本田圭佑は公式戦16試合連続先発出場を果たしたが、プロビンチャーレ(地方クラブ)相手のアウェー2連戦で、予期せぬ勝ち点1に終わったことで、選手たちの間にも動揺が広がっている。
ゲームキャプテンを務めたDFアバーテは、強い口調で試合後に警鐘を鳴らした。
「俺たち全員が頭を切り替えない限り、残りの9試合はかなり難しくなるだろう。このままではマズい」
1月のローマ戦以来、リーグ戦で9試合連続負けなしの好調を維持してきたはずのミランに何が起きたのか。
キエーボのホーム「ベンテゴーディ」に乗り込んだミランは、もともと新戦術4-3-3で先発を組むはずだった。
ところが、試合前のウォームアップ中にMFクツカに筋肉故障が発生。出場停止処分の指揮官ミハイロビッチに代わってミランベンチに座る副監督サキッチは、代役のMFを入れるのではなく、FWメネズを加えて2トップとする策を選んだ。
反撃の糸口を作ったのはやはり本田。
キックオフ直前とはいえ、これまでに使い慣れている4-4-2への布陣変更は理に適った措置のはずだった。本田も、予定されていた3トップの右ウイングから、これまでのように2列目の右サイドハーフに入った。
試合開始後、すぐに攻勢を仕掛けたのはホームのキエーボだ。司令塔ビルサを起点にいいように2ボランチの裏を狙われ、ミランは中盤より前へボールを運ぶことすら難しい状況に陥った。
10分を過ぎて、ようやく右サイドをドリブルで突破した本田がFWバッカへ好クロスを入れ、反撃の糸口をつかんだかに見えたものの、19分に守護神ドンナルマが直前の接触プレーによる目の異常を訴え、交代を願い出た。
突然のアクシデントで急遽交代出場したGKアッビアーティだが、交代直後の21分に相手FWフローロフローレスの速いシュートを防ぐと、32分にもエリア内で1対1となったFWメッジョリーニの至近距離弾を右足一本で止める高難度のセーブを見せ、ベテランの技の冴えを見せた。