オリンピックへの道BACK NUMBER
日本新を出さないと五輪に行けず!?
代表選考が暗過ぎる男子マラソン。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2016/03/09 10:30
ゴール直前では、脇腹を抑えながらもひとりアフリカ人選手を抜き去った北島寿典。
もっと現実的な目標設定ができていれば……。
「背伸び」することで、強化に成功しているケースは、スポーツにはいくつもある。
例えばバドミントン。
ジュニアの年代から格上のカテゴリーの選手と戦えるようにシステムを整えたことが、近年の成果をもたらしている要因の1つだ。ただし、選手にまったくできないことを強いてるわけではないので、システムとして無謀ではないと言える。
しかし2時間6分30秒は、背伸びをし過ぎた、無謀な設定ではなかったか。
それがために、かえって選手は現実的な目標に据えることができなかったのではないか。
もう少しリアルに目標として捉えられる記録であれば、それをクリアするために、よりハイペースなレース展開が見られたかもしれないと考えれば、皮肉ではある。
また、十分に頑張ったはずの個々の選手の健闘が健闘としてストレートに伝えられないという事実も、残念でならない。
いずれにせよ、選考大会はすべて終わった。
代表発表は、3月17日に行なわれる。