フットボール“新語録”BACK NUMBER
グアルディオラが21歳DFに公開説教。
戦術の不理解は「最大の罪」なのか。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2016/03/09 10:40
試合後、キミッヒのもとに詰め寄ったグアルディオラは激昂。周囲も唖然としていた。
相手の分析は、自分たちの良さを最大化する作業。
ここに書いたのはあくまでピッチで起きた出来事であり、ペップの真意はわからない。ただし、たとえ90分間完璧なプレーをしても、残り1分でミスをすれば、ペップは満足しない――ということは間違いないだろう。
今、ドイツでは「自分たちの良さを最大化するために、いかに相手への対策を練るか」がトレンドになりつつある。ドイツサッカー協会の指導者向けの雑誌「fussball training」の最新号では「戦略」の特集が組まれ、冒頭にこう書かれていた。
「多くの監督が自分たちのチームに集中することを望み、ときに対戦相手の分析は批判の対象になる。しかし多くの場合、それは誤解だ。分析や対策は、相手に合わせることを意味するのでははない。自分たちのポテンシャルを最大化する作業だ」
まさにペップとトゥヘルは自分たちのサッカーのポテンシャルを最大化するために、分析と対策をフル活用していた。
そういう意味でも、今回の“ドイツ版クラシコ”は今季のベストゲームだったと言っていいだろう。