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「憎らしいほど強いチームにしたい」
ガンバ大阪に今季、黄金期到来か。
posted2016/02/26 18:10
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Kiichi Matsumoto
今シーズンのガンバ大阪は突っ走りそうだ。
戦力補強、競争、継続性、優勝経験、モチベーション、伸び代と優勝するために必要な要素をすべて兼ね備えているからだ。
昨シーズンは、天皇杯だけの1冠に終わった。とはいえ、ナビスコカップは決勝に進出し、リーグ戦も年間総合勝ち点で3位になり、CS決勝に進出した。ACLも優勝した広州恒大と準決勝で戦い、ホームで点が取れずに惜敗した。すべてのタイトルマッチでいいところまで行ったのだ。
だが、あと一歩、及ばなかった。
いったい何が足りなかったのか。
長谷川監督就任から3年、研究されてしまった戦術。
岩下敬輔がケガで不在になってから粘り強い守備ができなくなった影響が大きいが、それ以上に「ここぞ」という時に点が取れなかった攻撃陣の力不足と攻撃のバリエーション不足が課題だった。
長谷川健太が2013年に監督に就任して、まず着手したのが守備だった。堅守を武器にJ2で優勝し、2014年には3冠を達成した。まるでドルトムントを意識したようなチーム作りで、ガンバはポゼッションサッカーから転換し、堅い守備とカウンターを武器にする堅実なチームに生まれ変わったのだ。
だが、昨年はそのサッカーで3年目、さすがに相手も研究してくる。実際、パトリック頼みのガンバへの対応はメソッドが出来上がっていたぐらいだ。そのため、攻撃のバリエーションが少ないガンバは点が取れずに大事な試合を失ったり、格下相手に勝ちきれなかったりした。それがACL準決勝ホームでの広州恒大戦、ナビスコカップ決勝の鹿島戦、セカンドステージ第16節の広島戦だった。
長谷川監督は、「攻撃の精度とバリエーションが……」とうめいたが、課題はタイトルを獲るための強化ポイントになった。