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フェブラリーSは堅実派か爆発力か。
「武器比べ」ならホワイトフーガ!
posted2016/02/20 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
古豪による史上初の平地GI3連覇か、新星による最速記録でのダートGI制覇か、それとも、レース史上初の牝馬による優勝か。
上半期のダート王を決める第33回フェブラリーステークス(2月21日、東京ダート1600m、4歳以上GI)は、勝ちそうな馬が何頭もいる混戦模様だ。
まだまだ世代交代なんてさせない、とばかりに、陣営が攻めの仕上げをしてきたのが、このレースを連覇しているコパノリッキー(牡6歳、父ゴールドアリュール、栗東・村山明厩舎)だ。勝てば、JRA史上初の平地GI3連覇という偉業になる。
昨年、このレースとJBCクラシックを制して最優秀ダートホースに選出されたが、12月のチャンピオンズカップと東京大賞典では逃げて失速し、7、4着に敗退。最後まで手前を替えないなど、主戦の武豊も首を傾げるような負け方だった。この中間、陣営は手前を替える練習を繰り返し、併せた相手を3馬身突き放した最終追い切りでもそれを確かめるなど、万全の対策を施してきた。
2、3番手からでも競馬ができるが、流れが少しでも遅いと見たら、武は迷わずハナに行くだろう。他馬の目標にされる不利はあっても、自ら動いて後続に脚を使わせながらレースを支配する、この馬の最強の競馬をしようとするはずだ。
ノンコノユメは自分のリズムで脚をためたい。
逃げ込みをはかるディフェンディングチャンピオンを一気に差し切るとしたら、このコースで5戦4勝のノンコノユメ(牡4歳、父トワイニング、美浦・加藤征弘厩舎)か。
4連勝で臨んだ前走のチャンピオンズカップは、追い込み及ばず2着。12番人気の牝馬サンビスタの大駆けに屈する形になったが、3歳であれだけ走ったのだから立派だ。
10戦6勝2着2回3着1回と素晴らしい成績をおさめているが、これまで1度も1番人気に支持されたことがなかった。初めて1番人気になると思われる今回はどんな走りを見せてくれるか。コパノリッキーとは対照的に、自分のリズムを最優先して脚を溜める競馬が、この馬の最強の形だ。流れによっては、またとりこぼす恐れもあるが、確実に上位争いをするだろう。