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フェブラリーSは堅実派か爆発力か。
「武器比べ」ならホワイトフーガ! 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/02/20 08:00

フェブラリーSは堅実派か爆発力か。「武器比べ」ならホワイトフーガ!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

チャンピオンズカップを勝ったサンビスタにJCBレディスクラシックで勝っているホワイトフーガ。台風の目となるか。

ゴール前は混戦になりそうだが……。

 勢いでは、ノンコノユメと同い年のモーニン(牡4歳、父へニーヒューズ、栗東・石坂正厩舎)も負けていない。前走の根岸ステークスを勝って戦績を6戦5勝とした。今回がGI初挑戦になるので、戦ってきた相手という点ではノンコに一歩譲る。また、唯一の敗戦がノンコとの直接対決となった2走前の武蔵野ステークスで、2馬身ほど離された3着だった……といったように、「対ノンコ」では分が悪いが、逆転するだけの力は秘めている。デビュー282日、7戦目でのダートGI制覇という最速記録を打ち立てる可能性はけっして低くない。

 武のコパノリッキーを、クリストフ・ルメールのノンコノユメとミルコ・デムーロのモーニンがかわしにかかる。ゴール前はそうした攻防になりそうだ、と言いたいところだが、ほかにも速い馬がいるのでリッキーにとっては楽な展開になりそうにないし、ノンコとモーニンは、これだけ相手が強くなると、差し込んではきても突き放すようなイメージが湧いてこない。

爆発力タイプが勝つとしたら、ホワイトフーガが怖い。

 総合力勝負より「武器比べ」になることが多いGIでは、ドッカーンという爆発力のある馬が、ノンコやモーニンのように「きっちり差し切る堅実派」を負かしてしまうことが多々ある。

 今回のメンバーに、そういう「ドッカーン型」がいるかというと、いる。ホワイトフーガ(牝4歳、父クロフネ、美浦・高木登厩舎)だ。勝つときの派手さは、父譲りなのか、あぜんとしてしまうほど凄まじい。同じ3歳牝馬同士だったとはいえ、2着を14馬身ブッちぎった関東オークスなどは、1頭だけ別の生き物が走っているかのようだった。2走前のJBCレディスクラシックでは、チャンピオンズカップを勝つサンビスタを5馬身突き放している。

 折り合い面を不安視されているので、距離がマイルに短縮され、さらに牡馬が相手となってペースが速くなるのはプラス材料だ。

 ゴールドティアラ、トゥザヴィクトリーといった女傑でさえなし得なかった、レース史上初の牝馬による優勝も夢ではない。

【次ページ】 今回の予想は、当たるような気がしてきた。

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