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闘莉王が日本復帰を約束した理由。
岡田武史、岡野雅行、日本との絆。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/02/17 10:40
J通算430試合85得点。カップ戦を加えれば500試合を優に超える。この数字が再び増えることはあるのだろうか。
次に日本に来るときは、19年目の日本になる。
岡田氏からは「FC今治に来い」という誘いも受けたという。
「尊敬する監督さんにこういうことを言ってもらえるのは本当にありがたい」
18年ぶりに戻ることになるブラジルで、楽しみにしていることがある。'03年に日本国籍を取得してから13年。ブラジルでも“日本人・田中マルクス闘莉王”のアイデンティティーでプレーし続けるというチャレンジだ。
「18年間ずっと日本のサッカーだったので、最近のブラジルのサッカーがどういうものなのか分からないという面はある。向こうに行って肌で感じてみないと、どういう表現になるかは分からない。けれども、きちんとしたプレー、日本らしさを表に出してサッカーをプレーしたい」
ブラジルのチームとの本格交渉はほどなく始まる。チームが決まれば、そこから先は自分磨きの日々が始まる。
「次に日本に来るときは、19年目の日本になる。19年といえばもう、ひとつの人生。違いを出せる選手になって戻ってきて、もう一度、プレーで日本の皆さんに感謝を伝えたい」
浦和在籍3年目の'06年にはチームをリーグ優勝に導き、MVPを受賞した。'07年にはアジア王者になった。名古屋移籍1年目の'10年にもリーグ優勝を果たした。ピッチ内外で勝者のメンタリティーを存分に発揮してきた傑物は、ブラジルで“再びの日本”を見つめている。