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真面目過ぎるフィギュアの新女王。
宮原知子の知られざる素顔とは?
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byAi Hirano
posted2016/02/12 12:00
'15-'16年シーズンはGPシリーズ初優勝、GPファイナルで準優勝、全日本を2連覇と目覚ましい活躍。2月には四大陸選手権、3月には世界選手権に臨む。
謙虚な一方、力強い言葉。
インタビュー中、特に印象的だったのは、今季の活躍について彼女がこう語った時だ。
「(今季は)演技が安定していることで、私はちょっとずつ点数が伸びてきている。だんだん自分の存在を、世界に印象づけられているかなと思います」
普段のニュートラルな印象からはあまり想像できない力強い言葉。それだけ、今季の好成績が彼女の“秘かな自信”へとつながってきているのだろう。フィギュアスケートについて語る彼女からは、謙虚ながらもどこかに全日本女王としての力強さが感じられる。
「不器用なほどの真面目さが彼女の武器」
また宮原は濱田美栄コーチが「不器用なほどの真面目さが彼女の武器」と言うほどの練習の虫でもある。濱田コーチの元には、白岩優奈、本田真凜ら3月のジュニア世界選手権への出場を決めたジュニア世代の選手を含め、多くの才能が集まる。そんな「後輩」から受ける刺激について聞くと、
「やっぱりジュニアの選手もたくさん3回転を跳ぶ選手がいるので、自分も負けてられないなという感じはあります。上手に跳んだ時は、それを見て参考にします。私自身は回転不足が多かったりするので、ジャンプをきっちり降りてくる子については、そういう自分に足りないところは、見たりしてます」
と答えた。世界のトップで競い合いながらも、後輩の滑りのよいところはよいと認め、積極的に見習う。そのポジティブなスケートへの取り組みが彼女の強さを作り出しているのかもしれない。