フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
欧州フィギュアで元王者が次々復活!
ペアとアイスダンスの華麗なる舞い。
posted2016/02/12 10:50
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
REUTERS/AFLO
1月に終了したブラティスラバ欧州選手権では、ペアとアイスダンスのチャンピオンたちが復帰してきた。
ペアでは、メダル候補だったロシアの2チームが怪我で欠場となった。
川口悠子&アレクサンドル・スミルノフは、川口がアキレス腱の断裂という残念な事態に。またGPファイナルで初タイトルを手にした、クセニア・ストルボワ&フェードル・クリモフは、クリモフが肩の負傷。
トップ2チーム不在という状況の中、過去のチャンピオン2チームが復帰を果たすことになった。
長い休養から戻ってきたチャンピオン。
優勝したのはソチ五輪王者の、タチアナ・ボロソジャル&マキシム・トランコフで2年ぶり、4度目の欧州選手権タイトルだった。
ソチ五輪で団体戦、個人戦ともに金メダルをとった2人は、当初から平昌五輪まで競技生活を続ける予定をしていた。だが2014年/2015年シーズンはトランコフの肩の負傷のため、結局1シーズン休養をとることになった。
今シーズンは初戦のネベルホルン杯で優勝し、エリックボンパール杯SP1位(フリーはパリの同時多発テロ事件により中止)だった。だがボロソジャルの足の負傷のためNHK杯を欠場し、その後ロシア選手権ではタイトルを取り戻した。
五輪が先か、赤ちゃんが先か――。
ブラティスラバではSP、フリーともにニコライ・モロゾフ振付による作品で、SP、フリーともにトップを保ち、総合222.66で優勝した。彼らにしてみると特別高い点ではないが、上海世界選手権で優勝したデュハメル&ラドフォードをわずかに上回るスコアである。
「今日の演技はまだまだ不満。これからもっと細部を磨いていかなくては」とフリー後の会見で口にしたトランコフ。
五輪金メダル、世界タイトル、欧州タイトルなど取れる全てのメダルを手にした彼らにとって、続けていくモチベーションは何なのか。そう質問すると、トランコフはこう答えた。
「まさにぼくたちも、その質問を自分たちに問いかけています。復帰に向けて練習をしていくのはとてもつらいこともあり、なぜ続けるのかと思うこともある。でもとりあえず今シーズンやってみて、次に何が来るのか考えます。五輪になるのか、赤ちゃんになるのか」そう口にして微笑んだトランコフは、パートナーのボロソジャルと昨年8月に挙式、入籍したところである。