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セリエAの2016移籍金ランキング!
1億ユーロ級は2人、超高額の16歳も。
posted2016/01/29 07:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
西へ東へ、代理人たちが大忙しの季節だ。
今月中旬、ミランの16歳GKドンナルンマに4000万ユーロもの値段がついた。
英タブロイド紙『デイリースター』が「マンチェスター・Uはドンナルマに未来のゴールマウスを託す」と報じたものだ。
若くして名門の正守護神の座をつかみ、今後の成長も大いに期待できるジャンルイジ・ドンナルマがいかに逸材であるにせよ、今季トップチームにデビューしたばかりの弱冠16歳に4000万ユーロという額はさすがに常軌を逸している。
ただし、彼の代理人はそうは思わない。
「4000万ユーロ? ドンナルマの価値からすれば、それでも少ないくらいだ」
イングランドからのオファーを「絵空事だ」とミランが公式に否定しようとしまいと、代理人ライオラにとっては大した問題ではない。重要なのは、移籍市場での知名度を積み重ねて、顧客である選手の市場価値を上げることだからだ。
欧州でも指折りの敏腕として、また曲者としても知られるライオラは、イタリアでも多くの選手を抱えている。
セリエの移籍金ランキングトップに立つのは?
今、仮にセリエA全プレーヤーの移籍金ランキングが作られた場合、1億ユーロの評価額でトップに立つと見られるのは、ライオラの顧客の一人であるユベントスMFポグバだ。
選手の価値を吹聴するのに、やたら芸術畑の言葉を使いたがるライオラが「ファン・ゴッホの名画と同じ」と喩えるMFポグバの市場価格は、ここ数年で急騰した。
ユーベ伝統の10番を継承した今季はやや気後れ気味だが、22歳にしてフランス代表の中心であり、オールラウンダーの“ジダン2世”として、将来のバロンドーラー候補にも挙げられる。
スペイン紙『AS』の報道によれば、R・マドリーの新監督に就任したジダンは、同胞の後輩に、ユベントスからレアルへと至る自らのサクセス・ストーリーを再現させようと、ペレス会長へ熱心にポグバ獲得を進言したらしい。
しかし、代理人ライオラが「選手を使い捨てにするレアルのようなクラブに、ポール(・ポグバ)を行かせたくない」と移籍へ難色を示し、今月中旬にFIFAがレアルに対して少年選手との違反契約に対する補強禁止処分を下したことで、ポグバが銀河系軍団入りする可能性は一旦遠のいた。