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井上尚弥と内山高志、年末の衝撃。
世界最高のボクサーは日本にいる?
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byAFLO
posted2016/01/13 10:40
井上尚弥は現在22歳、ボクサーとしての全盛期はまだまだ先だ。どこまで成長するのだろうか。
米進出、そしてV13に挑む2016年。
モチベーションの高まった内山を、さらにやる気にさせたのは対抗王者、三浦隆司(帝拳)のファイトである。WBC世界同級王者だった三浦は昨年11月、ラスベガスで防衛戦を行い、敗れはしたものの米国のファンを熱狂させる激闘を披露した。この試合は米国の大手メディアがこぞって2015年のファイト・オブ・ザ・イヤー(年間最高試合)に選んだほどで、三浦は敗れてなお株を上げた。かつて三浦に勝っている内山にしてみれば、思うところあって当然であろう。
今のところ米国デビュー戦の相手は、無敗の前WBA世界フェザー級“スーパー”王者のニコラス・ウォータース(ジャマイカ)が有力だ。ウォータースとの試合に快勝すれば、現時点では決して高くないアメリカでの知名度も一気に上昇する。
米国デビュー、そして具志堅用高の持つ連続防衛記録V13へのチャレンジと、2016年は内山にとってのビッグイベントが立て続けにやってくる。成熟のチャンピオンは試合後「あと3、4年はやれると思う」と語った。内山の黄金期に終わりは見えない。