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前田健太と有力な行き先。
~大物投手玉突き現象の影響は?~ 

text by

芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byNanae Suzuki

posted2015/12/19 10:40

前田健太と有力な行き先。~大物投手玉突き現象の影響は?~<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

長年の希望が叶い、ついにメジャー挑戦に乗り出した前田健太の前途はいかに?

西海岸の3チームに資金面の余裕!?

 先発投手の陣容に眼をやると、どの球団も3人まではそろっている。ドジャースには、クレイトン・カーショー、岩隈久志、柳賢振(開幕までには間に合いそうだ)がいる。カブスの場合も、ジェイク・アリエッタ、ジョン・レスター、ジョン・ラッキーまでは鉄板だ。ただ、両チームとも4番手以下がやや心もとない。一方、カーディナルスには、アダム・ウェインライト、カルロス・マルティネス、マイケル・ワッカ、ランス・リンと安定した4枚がそろっている。

 先発陣の高齢化に備えて前田を補強したいのはエンジェルスだろう。C・J・ウィルソンとジェレッド・ウィーヴァーが30代中盤を迎えると、ギャレット・リチャーズ(来季開幕時27歳)にかかる負担が大きくなる。前田が加わると、やりくりはずいぶん楽になるはずだ。岩隈を失ったマリナーズは、先発2番手が欲しい。タイユワン・ウォーカーやネイサン・カーンズあたりなら、前田のほうが上ではないか。追いつづけていたジョニー・クエトをついに獲得したジャイアンツは、たぶん前田争奪戦から撤退するだろう。

 駆け足で陣容を見てきたが、このうち資金面で余裕のあるのは、ドジャース、エンジェルス、マリナーズといった西海岸の球団だろう。前田自身、身体は小柄なほうだから、寒暖の差の激しい地域は避けたほうがよいのではないか。まだまだ先の読めない展開だが、来季の前田がどこかのチームのユニフォームを着て大リーグのマウンドに立っていることはまちがいない。刮目して待ちたいものだ。

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前田健太

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