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勝点63のG大阪が2位、72の浦和が3位。
その順位表にサッカーへの愛はあるか。
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph byAtsushi Kondo
posted2015/12/11 10:50
空席が目立った埼玉スタジアムに対して、三浦知良など多くの人から危惧の声も上がったが……。
120分が過ぎた埼玉スタジアムのなんとも言えない空気。
先制され、追いつき、突き放され、さらに突き放され。延長も含めた120分が過ぎた埼玉スタジアムは、なんとも言えない空気に包まれていた。
罵声。一部の人々は怒っていた。まあでも彼らはほとんどいつも怒っている。
拍手。一部の人々は選手の健闘を称えていた。実際、藤春がガンバの2点目を決めるまで、この日の浦和レッズは拍手に値するサッカーを見せていた。
無言。スタンドを埋めたサポーターの多くは、目の前で起こったことにどう対処して良いかわからないかのように、黙って腕を組み、ピッチに視線を向けて立ち続けていた。
34戦21勝9分4敗、得点69、失点40、1stステージ優勝、これがペトロビッチ監督率いる浦和レッズが今シーズン残した数字である。昨年優勝のG大阪は63、一昨年の広島も63しか勝点を取れていない。
それだけの数字を残したチームが、リーグ戦で勝点9差をつけていたガンバ大阪に、CS準決勝の場で延長戦の末敗れ、はいこれであなたは最終的に3位です、となってシーズンを終了した。自虐的なコピーをつけるなら、勝点差9を賭けた戦い、にレッズは敗れたわけである。
2位の数字で3位の結末、Jリーグというリーグ戦に持ち込まれた準決勝というトーナメントシステム。思考は混乱し、苛立ちは増す。
でもそれがルールですから。
そう、確かにそれがルールであることは頭ではわかっている。でもシーズンが終わって2週間が経とうとする今になっても、苦手な給食を口に入れたままどうしていいかわからない小学生のように、僕はそのルールをうまく飲み込めないままでいる。