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テロ直後の週末にF1界が見せたもの。
グロージャン、そして小松礼雄の思い。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2015/11/22 10:40
予選14位でスタートし、8位でフィニッシュしたグロージャン。来季はハースへの移籍が決定している。
グロージャンは6つポジションを上げる走り。
迎えた日曜日。グロージャンは「いま、僕がフランスのためにできることは、良いレースをすること。できることなら、表彰台の頂点にフランス国旗を掲げたい」と、14番手から決勝レースに臨んだ。
残念ながらその願いは叶わなかったが、ほかのドライバーがなかなか順位を上げられず難しいレース展開となったブラジルGPで、5つポジションを上げてフィニッシュ(レース後、8位のマッサが失格となったため、結果的に6つポジションアップ)する素晴らしい走りを披露。
小松も「行けたとしても10位が精一杯だと思っていたから、今日のロマンは期待以上だった」と、昨年まで担当していたドライバーの走りを素直に褒めた。
ドイツ人2人とイギリス人が表彰台を占めた2015年のブラジルGP。そのセンターポールにフランス国旗が揚がることはなかったが、表彰台の背後にはFIAが用意した中央に黒いリボンが描かれた三色旗が掲げられた。
スポーツには人に感動を与えられるという素晴らしい力がある。そのことを証明したブラジルGPだった。