野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
DeNAの第二幕はどこへ向かうのか?
球団社長に来季戦略を直撃!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/11/18 10:30
ラミレス新監督は早速指導を開始している。ゲッツも封印して、来年はどんなスタイルに?
報道陣に想像力を働かせた「バラ事件」。
決定的だったのは記者団の囲み取材が終了後、広報担当者をあえて遣わせ「横浜市の花はバラですよね」と、わざわざ伝言させたあの一件。日付は17年前に優勝した10月8日。これは……と誰もが想像力を働かせ、で、結果。知ったかぶった推理でその後恥をかいたのは筆者だけではあるまいて。
「すいません。10人の内部候補はあくまでこちらの勝手なリストアップですし、先方の方々の事情や考え方もありますし、ご迷惑になってしまうこともあるので、様々頂くご質問への回答にはものすごく気を配りましたけど、操作なんてことはできませんよ(笑)。あの“横浜市の花”発言では……、本当に事実を確認しただけなんですよ。『横浜の花がバラだった』という……。『アレックスレッドというバラ』も事実としてありますしね(笑)。
ただ、シーズンが終わった後も横浜の街のいたるところで、野球の話題が日常会話として語られていたことは、理想とすべき形のひとつだと思いますし、それで日常に少しでも楽しさがプラスするのなら、悪いことではないんじゃないかと思います」
ラミレス監督は、ファンサービス重視ではない?
一方で、監督を退任しても日本シリーズの解説やら新聞やらイベントやらで、中畑キヨシ人気が過熱しているかのように見える昨今。
その後任となる監督の選定に際し、ラミレス氏は現役時代からファンサービスに熱心で、パフォーマンスという名の持ちネタも持っていて、グッズ売り上げも見込める。そしておそらく「ダグアウトの向こう」的なベンチ裏ドキュメントも撮らせてくれそう……と、その辺も監督選びには影響したのではないかと思ってしまうが。
「いえ。正直そこは考えていませんでした。5年目を迎える来年、優先順位はそういったことではないですし、どんな人であろうが中畑さん以上のファンサービスを求めることはハードル高すぎますからね。結果的に現役時代からファンサービスに積極的でファンからも愛され、パフォーマンスや話題性もあるラミレス氏が監督になりましたが、そこは監督選びの基準にはおいていませんでした。
優先していたのは、先ほどの条件。4年間の成長の軌跡であるチーム作りを継承して、そして我々は是が非でも勝ちたいのです。そのために、チーム70人の戦力を可能な限り早く掌握できる人が理想でした。来年、優勝を目指して勝負するには、速やかに戦力を把握できなければいけない。そして3つ目はやはり横浜との縁。これがすべての判断基準です」