他の馬がどうすることもできない勝ちっぷり。

　3、4コーナーを回りながら馬群が凝縮され、ひとかたまりになった。どの馬も充分な手応えを残している。

　手綱を持ったままのクラレントが先頭のまま直線に入った。

　その外にエイシンヒカリが並びかけ、追い出すタイミングをはかっている。

　ラスト400mを切ったところで、内で脚を溜めていたラブリーデイがエイシンの外からスパートをかけた。エイシンとクラレントも食い下がったが、ラスト200mの手前で、まずエイシンが脱落。

　ラブリーデイが完全に抜け出した。

　外からイスラボニータ、ステファノス、ショウナンパンドラが追い込んでくる。が、ラブリーデイの勢いは衰えず、先頭のままゴールを駆け抜けた。

　勝ちタイムは1分58秒4。絶好位の4番手から上がり3ハロン33秒7の末脚で抜け出したのだから、前の馬も後ろの馬も、どうすることもできない。着差以上の強さで、今年の宝塚記念につづくGI2勝目をマークした。

浜中は直前まで川田にアドバイスを受けていた。

「手応えがよく、直線では追い出しを待つことができました。力強さを体感しながら追っていました。これだけの馬なので、責任を果たせてほっとしています」

　そう話した浜中は、騎乗停止のため乗れなくなった川田将雅の代打だった。観戦に来ていた川田に、レース直前までアドバイスを受けていたという。

　管理する池江調教師によると、次走はジャパンカップを予定しているが、鞍上は未定とのこと。

　昨年までトータルで3勝しかしていなかった馬が、今年に入って重賞を6勝。その成長ぶりについて池江調教師はこう語る。

「筋肉量が増えましたね。トモが父のキングカメハメハのように四角くなり、きょう装鞍所で見たら、肩にも肉がついていた」

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