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内川不在に選手会長・松田宣浩が燃!
盤石SBを象徴する2人のリーダー像。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNanae Suzuki
posted2015/10/27 10:40
初戦でホームランを放ち、ソフトバンクに勢いを呼び込んだ松田宣浩。
「静」と「動」を兼ね備えたキャプテンシー。
松田と内川。ふたりのキャプテンシーの特徴を挙げれば、「静」と「動」を兼ね備えているところにある。
2013年オフ。選手会長に任命された松田はこのように所信表明をしていた。
「選手会長になったからといってね、やることは別に変わりませんから。キャンプが始まる直前くらいは、『元気を出して、前を向いて頑張っていこう!』みたいなことを、ちょっとキツめに言おうとは思っていますけどね。多分、それくらいだと思います」
松田は選手会長としては「静」を心がけた。それは、今までどおり練習や試合で誰よりも声を出すことでチームの士気を高める「動」の姿勢があれば、選手たちは自分の意思を汲み取ってくれるだろう――その確信があったからできたことだった。
その松田が選手会長になったからこそ、当時、まだ主将ではなかった内川も現在は「なるべくしてなった」と納得できたのだ。
「一緒にホークスを盛り上げていきましょう!」
'11年に内川が横浜(現DeNA)からFAでソフトバンクに移籍した際、当時主将だった小久保裕紀や本多雄一はじめ、全員が歓迎してくれた。なかでも明確に意思表示したのが1歳下の松田だった。
「一緒にホークスを盛り上げていきましょう!」
その言葉で内川は「本当に受け入れてもらえているんだ」と安心したという。
内川は「選手会長・松田」をこう評する。
「マッチ(松田)の爆発力っていうのは、僕らからしたらすごく羨ましいんですよ。選手ってナイター翌日のデーゲームってすごくしんどくて、試合中でも疲れを出してしまったりするんですね。でもあいつは、そんな時だからこそ一番元気を出してくれるんです。あの勢いのある姿を見せてもらうことによって、僕らは元気をもらえる。マッチの存在はすごくありがたいんですよ。そういう選手が選手会長になるっていうのは、チームにとって絶対にプラスになりますから」