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宇佐美貴史が「怪物」と評す19歳。
U-22をリオ五輪へ導く井手口陽介。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/10/24 10:40
U-13の頃から日本選抜に名前を連ねてきた井手口陽介。どこまで突っ走れるか。
「世界で自分がどんだけできんのやろ」
25日からのU-22日本代表の佐賀合宿は、コミュニケーション不足を解消するには絶好の機会だが、31日にナビスコカップ決勝があるので井手口は参加ができない。来年1月の最終予選まで残り時間は着実に少なくなっていくなかで、連係を確立していくことができるだろうか。
五輪最終予選での対戦相手は、すでに決定している。初戦が北朝鮮、2戦目がタイ、3戦目はサウジアラビアだ。
「北朝鮮は昨年、U-19アジア選手権でやったけど球際がすごい強いイメージがあるんで戦いづらいけど、勝てない相手ではないと思います。タイとサウジアラビアは、そんなによく知らないです。最終予選は短期決戦で試合も多いんでメンバーも変わると思うし、呼ばれたらどこで使われても結果を出したいです」
グループリーグは中1日のハードな日程だが、6大会連続で出場し続けている五輪の火をたやすわけにはいかない。井手口にとってリオ五輪は、どういうものなのか。
「正直、まだピンと来てないし、自分が出られるかどうか分からない。もちろん出てみたいですけど、ガンバで試合に出てないと難しいと思うんで、まずはガンバで試合に出ることを考えていきたいです。行けたら……世界で自分がどんだけできんのやろっていうのを感じたいです」
遠くよりも目先の試合にこだわり、闘志を表す男。
3月に行なわれたリオ五輪1次予選は「見ていなかった」と笑ったが、自分が関わればやる気になるタイプ。遠くよりも目先の試合にこだわり、どんな相手にもガツガツと闘志あふれるプレーを見せてくれる。手倉森監督が求める「海外で戦える選手」を絵に描いたような選手なので、厳しい最終予選にはうってつけだろう。
だがチームの戦力となり、活躍するには課題克服が必須になる。また、最終予選という厳しい戦いの場で、井手口自身がどれだけ突き抜けて、自分の殻を打ち破ってプレーできるか。
井手口の覚醒――。
それがリオ五輪最終予選突破を目指すチームにとっても重要なポイントになる。