オリンピックへの道BACK NUMBER
五輪出場のフェアリージャパン。
進化の秘密は“素材型”選考に。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO NEWS
posted2015/09/22 10:30
日本勢のメダル獲得は1975年のマドリード大会以来の快挙。
「メダル獲得へのスタートラインに立てた」
ロンドン五輪後のオーディションでは、ミス日本で特別賞となった畠山愛理に象徴されるように、「日本はどうしても劣る」と言われていた体型の面でも海外の選手にひけを取らないメンバーがそろった。
そしてロシアと日本を行き来しつつ、練習を重ねてきて迎えた今回の世界選手権で、ついにメダルを手にしたのである。
また、ロンドン後は個人の強化にも着手。団体の手法さながらに、皆川と、やはり世界選手権に出場した早川さくらの2名を強化選手とし、選考会などを経ずに日本代表として大会に出場してきた。そして皆川が五輪の出場枠を確保するに至った。
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帰国した畠山はこうコメントした。
「日本の存在を世界に伝えることができました。オリンピックではもっと輝いて、笑顔で表彰台に乗れるよう頑張りたいです」
世界選手権では、上位国の中にミスの出るチームがあった。また、種目別はオリンピックでは実施されず、総合での争いとなる。そういう面を見れば、安穏とはできない。
ただ確実に言えるのは、始めた当初は不信感を抱く関係者もいたなかで、ブレることない強化方針を10年以上貫いてきたからこその結果であるということだ。リスクは決して小さくはなかったが、信念の勝利だった。
この大会の成績を受けて、山崎氏はこう語っている。
「リオでのメダル獲得へのスタートラインに立てました」
目指してきたメダルも、ついに視野に入るまでにきた今回の世界選手権だった。