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ミスひとつが命取りになる新体操。
早川さくらと皆川夏穂、五輪への課題。

posted2015/10/06 10:50

 
ミスひとつが命取りになる新体操。早川さくらと皆川夏穂、五輪への課題。<Number Web> photograph by Norikazu Okamoto

イオンカップ6位となった早川さくら。リオ五輪出場選手は来年春のワールドカップの成績などから早川か皆川夏穂のどちらかに選ばれる。

text by

椎名桂子

椎名桂子Keiko Shiina

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Norikazu Okamoto

 10月2~4日、「イオンカップ2015」が開催された。

 リオ五輪の出場権をかけて熱戦が繰り広げられた世界選手権から1カ月足らずのこの時期に、世界のメダリストたちや世界選手権で活躍した日本の選手たちが出場するとあって、注目を集める大会となった。

 結果としては、クラブ対抗戦ではロシアのガスプロムが16連覇を達成し、個人総合もロシアの選手が1、3位、ウクライナの選手が2位。日本勢では早川さくら(イオン)の6位が最高位で、世界選手権で15位となり日本に個人の出場枠をもたらした皆川夏穂(イオン)は、4種目すべてにミスが出て11位という厳しい結果となった。

 今大会には、世界選手権銀メダリストのマムーン(ロシア)や銅メダリストのスタニオウタ(ベラルーシ)、4位のパザワ(ジョージア)、5位のリザディノワ(ウクライナ)などそうそうたるメンバーが出場していた。いくら日本の新体操が上昇傾向にあるとは言っても、いきなりメダル獲得などを期待するのは酷とも言える大会だ。

早川さくらに求められる「タフさ」。

 それを思えば、早川の6位は健闘と言えなくもない。得点も落下ミスのあったクラブだけは17点にのせられなかったものの、ボールでは17.700、リボンでは17.650という世界選手権をも上回る得点をあげた。そして、良い実施ができたときの早川の演技にはその得点にふさわしいだけの風格も備わってきていると感じられた。

 しかし、それだけに最後の種目でのミスが悔やまれる。今大会の早川は、非常にいい集中を見せており、細かな狂いはあっても大きなミスに繋げない粘りのある演技をしていた。それが最後のクラブで手具をふっ飛ばすという大きなミスを犯してしまったのだ。

 早川は、世界選手権でも1日で4種目を一気に行う決勝で、予選よりもミスが多かった。その結果、あと一歩のところで枠を逃してしまった。

 気力、体力両方の面で、よりスタミナをつけタフな選手になること。それが、早川の課題と言える。

【次ページ】 「ミスをなくす」ことが必須の皆川夏穂。

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