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プレミア監督解任予想が今季も熾烈。
モウリーニョ参戦に、本命はあの男。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2015/09/19 10:30

プレミア監督解任予想が今季も熾烈。モウリーニョ参戦に、本命はあの男。<Number Web> photograph by AFLO

昨季プレミアを制し、今季も優勝候補だったチェルシーのモウリーニョが一転して解任候補に……。

解任最右翼はリバプールのロジャーズ。

 指揮官は、そのチームパフォーマンスを「過去4試合のレベルに達しなかった」と説明したが、ここまでの2敗2引分けの4戦で評価できる出来を見せたのは、マンチェスター・ユナイテッドとスコアレスドローを演じた3節だけだっただろう。

 FW陣をはじめとする戦力不足は、「勝敗」よりも「収支」への拘りが強い経営陣にも責任があるが、初めからファンに見放されている監督の延命が続くとすれば、それは早期解雇に伴う多額の違約金支払いを嫌う経営陣のおかげという皮肉な状況だ。

 但し、延命が最も難しいと思われる監督はマクラーレンではなく、ブレンダン・ロジャーズになる。5節であえなくマンUに敗れた(1-3)リバプールの指揮官には、2倍にも満たないオッズがつけられている。開幕5試合で7ポイント獲得という結果は「惨事」ではないが、内容的には解雇が現実的な「一大事」。ロジャーズが監督である必要性が感じられなくなっているからだ。

 マンU戦でのリバプールは、ポゼッション45%に止まった。この数字だけならば、アウェイでの強豪対決ということで理解できる部分はある。自軍の前線中央には、いざとなればターゲットマンとしても頼れるクリスティアン・ベンテケがいた。対戦相手や戦況に応じて敢えてポゼッションには拘らなかったということであれば、攻撃志向の監督に戦術の引き出しが増えたとも受け取れる。

 だが、今季のリバプールは5試合平均のボール支配率も5割を切ることになった。3節アーセナル戦(0-0)ではたったの34%。ボールを支配して攻めるスタイルはロジャーズの信条だったはずだが……。

 4節ウェストハム戦(0-3)では5戦中で最高の63%を記録しているが、試合自体は惨敗に終わっている。ルーカス・レイバの手前にエムレ・チャンとジェイムズ・ミルナーという守備的な3センターは慎重すぎた。結果、ボールは支配できても優位には立てなかった。

早々にクロップがリバプールにくる可能性も?

 ロジャーズには、6位で終えた昨季末にも解任説が流れた。筆者は続投支持者の1人だったが、それは就任後の過去3年間で指揮官が取り組んできた、カウンター主体からポゼッション主体へのスタイル変更努力が無になってしまうと理解したからだ。

 しかし指揮官が自らポリシーを捨てたと思えるような試合が続く現状では、ロジャーズ続投の意義は薄まる一方だと言わざるを得ない。就任当初のロジャーズと同じく明確な攻撃的サッカーのポリシーを持ち、かつ実積ではロジャーズを上回るユルゲン・クロップという後任候補が、リバプールを新たな任地として望んでいるという噂も絶えない。

【次ページ】 まさかの候補入りしたモウリーニョ。

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