野球クロスロードBACK NUMBER
トミー・ジョン後の「潰れる」覚悟。
ヤクルト・館山昌平が帰ってきた。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/09/15 10:40
石川、小川らが二桁勝利をあげているが、「ヤクルトのエース」と言えば館山昌平だという声も根強い。
「肘は全く問題なく投げられています」
怪我の再発を恐れず、常に全力。その気概が館山に本来のパフォーマンスを取り戻させた。そしてなにより、自身の時計の針も正常に動かすことができている。
「肘は全く問題なく投げられています」
そうはっきりと語る館山の表情には、虚勢の色は全くない。高津臣吾投手コーチの「これから、中6日の登板間隔で投げてもらっても問題ない」というお墨付きからも、彼の状態が良好であることが窺える。
現在、ヤクルトは2位の阪神と0.5ゲームの僅差ながら首位に立っている。今後、熾烈を極めるであろう優勝争い。頼れる男が戻ってきてくれたのは、チームにとって何よりの吉兆といえるだろう。
完全復活を目指す右腕が野手を信頼し、全力で凡打の山を築く。
「館山を勝たせたい」
その想いがチームを一枚岩とし、リーグ制覇へ一歩、また一歩と近づく。