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“名鑑マイスター”中村憲剛が語る、
「現代最高のボランチ」とは誰か?
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byAsami Enomoto
posted2015/09/10 11:00
毎シーズン欧州蹴球名鑑を熟読し、情報をインプットしているという中村憲剛。移籍にまつわる新情報から新戦力の起用法などを想像している、と語った。
ブスケッツがいるだけで出来上がる筋書き。
「ポジショニングがいいから相手に捕まらないし、マークされている時は『誰かがフリーでしょ』という顔をしているんです。例えば、相手の2トップが縦関係になってブスケッツを捕まえにくると、2センターバックのどちらかがフリーになりますよね。
相手のボランチが自分を捕まえに来れば、後ろのピケやマスチェラーノに戻して、そこからマークの外れた方(イニエスタかラキティッチ)に縦パスが入る。そして、今度はそこ(イニエスタかラキティッチ)に相手のセンターバックが食いつけば、後ろからサポートに入るブスケッツに落とし、そこからメッシやネイマールに決定的なパスが入る。ブスケッツがいるだけで、そこまで(筋書きが)出来ている。
相手にしたら、守りようがないという感じです。もう(プレスで)玉砕するか、俗に言う『バスを置く』(守備ブロックの意味)か、そのどちらかでしょうね。
イニエスタやカタールに移籍したシャビはどうかと考えると、守備力が違いますからね、ブスケッツとは。1人でボールを奪えるんですよ。パスコースを読む力が抜群。インテリジェンスが卓越しているから動き回る必要がないんです。おまけにフィジカルが強く、リーチも長い。それくらい凄い選手だと思いますね、僕は」
もうひとり、匹敵するボランチがいるのでは……。
ブスケッツの技術について語る憲剛の口調は、まるでバルサのパスワーク。テンポ良く言葉と言葉がつながり、こちらの頭の中の深い位置に進入してくる。
ただし、ここで1つの疑問が浮かんだ。ブスケッツに匹敵するパスセンスと守備力を備えるスペイン人ボランチが、バイエルンの中盤にいるのでは……。
おそらく憲剛は、こちらの頭の動きを予測していたのだろう。鋭い言葉の縦パスが飛んで来た。
「ブスケッツとシャビ・アロンソの違いって、わかりますか?」
ここから、ブスケッツとシャビ・アロンソを比較する“高速パスワーク”が始まった。
自身が卓越した選手でありつつ「サッカーオタク」でもある中村憲剛が、欧州サッカーの楽しみ方について語り倒したインタビュー「ブスケッツとシャビ・アロンソの違い、わかりますか?」は、Number PLUS「欧州蹴球名鑑2015-2016」でぜひお読みください。