野球善哉BACK NUMBER
オコエ&清宮より津田&舩曳!?
U-18野球W杯、いぶし銀の選手たち。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2015/08/31 12:35
「開催国として恥じない、悲願の世界一を勝ち取りたい」と大会前に宣言していた西谷監督。チェコとメキシコにも勝って一次リーグ全勝を誓う。
3連勝のベースには、先発投手の好投があって……。
3連勝と勢いに乗りそうな滑り出しだが、そう喜んでもいられない。
この連勝には、3試合のそれぞれに先発した上野翔太郎(中京大中京)、佐藤、小笠原の好投が大前提にある。さらに言うと、打線は西谷の采配で結果こそ出し続けてはいるが、アメリカ戦の5安打は見ようによってはラッキーヒットとも言えるし、オーストラリア戦の7安打は、うち5安打が趨勢がほぼ決していた9回にまとめて出たものだ。実は、まだ打撃面は不安定なままなのである。
西谷は、今後に向けて気合を入れ直していくという。
「予選でいうと、アメリカ戦とオーストラリア戦の2つが大事でした。ここを落とすと苦しいというなか、何とか勝利でつなぐことができました。子どもたちにはこういう戦いの経験が無いので、リーグ戦なんですけど、トーナメントの気持ちで1試合1試合をしっかり戦っていこうと話してきました。少ない安打で勝てているのですが、これを良い方向に捉えれば、打つこと以外の四球や走塁を生かして点数に結び付けられていると言えますが、逆にバッティングで結果が出ていないとも言える。対戦チームにひとり良い投手がいれば、簡単には打てないかもしれない。それが課題でしょう」
西谷の采配が目立つ試合ではあるが、今後は個々の選手の実力が発揮された上で、しっかりと打線の力で勝つ試合も作っていきたいところ。逆に、西谷の采配ミスが出てきたときに、選手がカバーするくらいの勢いに乗った戦いができるようになったとき、悲願の初優勝も見えてくるはずだ。