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「あの日調子がよかったわけでは」
岩隈久志が振り返ったノーヒッター。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2015/08/26 10:30
岩隈久志は、日本時代よりもMLBに移ってからの方が勝率が向上している極めて珍しい投手だ。昨年、一昨年はともに二桁勝利を記録し、今季もここまで5勝3敗と勝ち越している。
プレーオフのために岩隈を獲得したい球団が!?
岩隈は今季、開幕から調子が上がらぬまま右広背筋痛で故障者リスト入りし、前半戦は1勝1敗、防御率5.22と苦しんだ。ところが後半戦は4勝1敗、防御率2.88と調子を上げている。彼の凄い部分はつまり、コンディションさえ普通であれば、かなり高い確率でチームに勝利の可能性を与えられることである。
ウェイバー公示を経るトレードに期限はないが、当該選手がプレーオフ出場するためには8月中に取引を行わなければならない。数年ぶりのプレーオフ進出を狙う球団や、追いすがるライバルを振り落として地区優勝を確実なものにしたい球団にとっての、決断の時は刻一刻と迫っている。
「わずか1カ月あまりしかチームにいない選手のために、交換要員として有望株を手放すのは得策ではない」
と考えるのか、それとも、
「わずか1カ月あまりしかチームにいなくても、その選手を獲得したお陰でプレーオフ進出が確実なものになるなら、有望株放出も惜しくはない」
と考えるのか。
果たしてシーズン終盤の緊急補強で、岩隈の獲得を希望する球団は現れるのだろうか――。