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サニブラウンは既に勝負の綾を知る。
東京五輪を21歳で迎えるという事実。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2015/08/21 10:15

サニブラウンは既に勝負の綾を知る。東京五輪を21歳で迎えるという事実。<Number Web> photograph by AFLO

インターハイ決勝でまさかの優勝を逃したが、破顔して笑ったサニブラウン・ハキーム。この男、大物である。

今季の世界ランキングにタイムをあてはめてみると……。

 特に200メートルの記録は、かつてウサイン・ボルトがマークした20秒40の大会記録を破るもので、サニブラウンのポテンシャルの高さをうかがわせる。

 このまま順調に育ってくれれば、2020年の東京オリンピックでは、きっといいことが待っている――。そんな予感を抱かせてくれる。

 世界陸上では、8月25日に行われる200メートルの予選に出場予定だ。サニブラウンの20秒34という記録を今季のランキングにあてはめてみると、49位に相当する。

 今季のトップはアメリカのジャスティン・ガトリンの19秒57。ちなみにウサイン・ボルトは20秒13の19位で、まだベストの状態で200メートルを走っていない。

 世界の猛者たちとは、まだ同じ勝負の土俵に上がっているとは言いがたいが、世界陸上という大舞台に立つことで、他のスプリンターに引っ張られる形で記録が伸びていくことも十分に考えられる。

東京オリンピックの年、サニブラウンはまだ21歳だ。

 何よりサニブラウンがこれだけ注目を浴びるのは、底知れぬ可能性を秘めているからだ。日本のスプリンターは世界の選手と比べるとピーク年齢が前倒しになっていると言われるが、サニブラウンの荒削りな走り方を見ると、伸びしろはたっぷりある。上半身がまだ安定しておらず、「自然児」が駆けっこしているようだ。

 日本選手権やインターハイを見る限り、100メートルよりも200メートルを得意とする「ボルト型」のスプリンターだ。できることなら、世界陸上という舞台で自己ベストを更新して欲しいものだ。

 16歳にして、世界陸上の舞台で戦うのは、大きな財産になるだろう。

 それにしても、若さが羨ましい。東京オリンピックの年、サニブラウンはまだ21歳なのだから。

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