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パウロ・ソウザがフィオを甦らせる。
「やつの試合はどれも退屈とは無縁」 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/08/17 10:40

パウロ・ソウザがフィオを甦らせる。「やつの試合はどれも退屈とは無縁」<Number Web> photograph by AFLO

ロンドンに乗り込んでチェルシーを撃破して見せたパウロ・ソウザのフィオレンティーナ。フィーゴ、ルイコスタと共にポルトガルの黄金時代を築いた印象も強い。

「ソウザは相当頭が切れるやつなんだろうと思っていた」

 実は、昨季もプレシーズンマッチの成績はよかった。しかし、いざ開幕のフタを開けてみたら、チーム内にはマンネリ感が漂っていて、スタートダッシュに失敗した。最終的にはナポリの自滅もあって4位を得たが、序盤の低空飛行がなければ、CL出場圏を早々に諦めることもなかっただろう。

 現役時代、ユベントスの中盤にダイナミズムをもたらしたパウロ・ソウザは今、フィオレンティーナへ新しいサッカーの刺激を持ち込んだ。

 ユーベ時代に中盤でコンビを組み、禁断のフィレンツェ移籍を果たした先達でもある元MFディリービオは、銀髪のショートヘアへルックスを変えたソウザの成功を信じて疑わない。

「ソウザの足元にあるとき、ボールは回るんじゃなく“歌っている”ようだった。(現役時代)イタリアでのデビューシーズンに、あれだけ伸び伸びとプレーした外国人選手を他に見たことがない。相当頭が切れるやつなんだろうと思っていた。昨季のCLでも、やつが指揮したバーゼルの試合は、どれも退屈とは無縁だったよ」

 今季の目標は、やはり来季の欧州カップ戦出場権獲得だ。CL出場圏にあたる3位を狙うには、現実的にローマとナポリの南部2強に割って入る必要がある。

 フィオレンティーナが欧州のトップクラブ相手に連勝していた今月の初旬、中国やミュンヘンで不甲斐ない敗戦をくり返していたミラノ勢も怒涛の補強攻勢を進めており、油断はできない。

「私のフィオレンティーナに限界は作らない」

 開幕戦のカード抽選会の後、セリエAの全監督中、パウロ・ソウザだけはコメントを出すのを控えた。彼の頭の中では、すでにミランとの初戦のシミュレーションが何通りも始まっているはずだ。

 プレシーズンマッチの結果は何の公式記録にも残らず、監督としてのキャリアに何ももたらさないことは、パウロ・ソウザも十分理解している。

 フィオレンティーナが今季もELを勝ち進み、仮にバルサとチェルシーがCLでグループリーグ落ちするようなことがあれば、今季中の公式戦での再戦は可能だが、CLの味を知る指揮官にとって、やはり頂点を争う舞台で彼らと真剣勝負をやりたいのが本音だろう。

「うちよりリッチなクラブたちと渡り合うには、パッションと野心、確固たる自信が最大の武器になる。私のフィオレンティーナに限界は作らない」

 厳しい残暑は望むところだ。イタリアのシーズン開幕も近い。

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