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新加盟のレノファ山口がJ3独走中!
得点上位を独占の超攻撃スタイル。
posted2015/08/15 10:40
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
決定力不足に頭を悩ます日本代表も羨むほどに、今季Jリーグでゴールを量産し続けているクラブがある。現在、J3リーグで首位を走るレノファ山口だ。
山口と言えば、今季からJリーグに新規加盟し、J3に初参戦したばかりの新しいクラブ。それでいて第2節から一度も首位の座を明け渡すことなく、8月9日に行われた第25節までの23試合(J3は13チームのリーグ戦のため、13節に一度、試合のない節が生じる)で積み上げた勝ち点は58。2位の町田ゼルビアに勝ち点10差をつけて、トップを独走している。
しかも、初参戦らしく慎ましやかに、堅守をベースとした現実的な戦いをしているのかというと、そんなことはまったくない。山口は高い攻撃力で他を圧倒しているのだから驚かされる。
第25節終了時点で山口が挙げた総得点は実に65ゴール。これはもちろん13チーム中トップの数字であり、総得点で2位のSC相模原(33ゴール)のほぼ倍という、とんでもない得点数である。
ほぼ1試合1点のペースでゴールを重ねる岸田和人。
そんな驚異的な得点力の中心にいるのが、FW岸田和人だ。Jリーグ新記録となる9試合連続ゴールを記録するなど21ゴールを挙げ、“ほぼ1試合1点”のハイペースでゴールを量産している。
だが、山口の得点力は岸田ひとりに支えられているわけではない。個人別のJ3得点ランキングを見ると、トップの岸田以下、2位のMF島屋八徳(13ゴール)、3位のMF福満隆貴(11ゴール)、4位タイのMF鳥養祐矢(8ゴール)と、山口勢がトップ5のうち4人を占めている。「たかが3部リーグ」と言ってしまえばそれまでだが、プロ選手を含む全国規模のリーグ戦において、これほどの状況はなかなかお目にかかれるものではない。岸田が好調のクラブをこう語る。
「2点リードされてもひっくり返した試合が結構あるように(第8節FC琉球戦4-3、第18節カターレ富山戦5-2、第20節AC長野パルセイロ3-2)、うちには2点取られても3点取れる力がある。それが勝ちにつながっている」
得点ランクを独走するストライカーは、自慢の攻撃力に胸を張って続ける。
「守備的なサッカーは退屈。見ている人が楽しいサッカーを目指しているし、点を取るサッカーをやりたい。だから、常に前へ前へという姿勢でやれている」