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サラブレッドが余生を過ごす場所。
「馬愛」に溢れた養老牧場を訪ねて。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byAkihiro Shimada

posted2015/08/08 10:50

サラブレッドが余生を過ごす場所。「馬愛」に溢れた養老牧場を訪ねて。<Number Web> photograph by Akihiro Shimada

ホーストラストを切り盛りする酒井政明さん。左手でなでているのは、テイエムオペラオーなどと同い年のエイシンキャメロン。

 競走馬は、現役を引退したあと、種牡馬や繁殖牝馬、乗馬、教育・研究機関の使役馬などになり、「第二の馬生」を送る。また、前回リポートした相馬野馬追などの伝統行事のために飼育されたり、神馬やタレントホース、誘導馬などになる道もある。

 競走馬は7歳や8歳になると「高齢」と言われるが、乗馬や馬術の世界ではまだ若い部類に入り、10代前半からなかごろにかけてが円熟期と言われている。

 それでも種牡馬も繁殖牝馬も乗馬も、だいたい20歳までには役目を終える。昨夏、戦後初の三冠馬となったシンザンが持っていた35年3カ月11日というサラブレッドの国内長寿記録が破られて話題になったが、健康な馬の寿命を平均すると20代なかごろだと思われる。

 競走馬として、繁殖馬として、あるいは乗馬として……など、さまざまな「仕事」を終えた馬たちが繋養され、余生を過ごす牧場がある。

 そうした「養老牧場」のひとつ、北海道岩内町の「ホーストラスト北海道」を訪ねた。

 札幌からクルマで西へ向かい、小樽、余市を経由して2時間ほどで岩内に着く。

 1ヘクタールほどの敷地に厩舎と放牧地と事務所があり、道を挟んだ向かいにも1ヘクタールの放牧地、さらに未墾の土地が6ヘクタールある。ここがホーストラスト北海道の本部で、隣の共和町にも3ヘクタールの放牧地と厩舎がある。これら2カ所に、サラブレッドを中心に30頭ほどの馬がいて、仲よくのんびりと暮らしている。

重賞勝ち馬を含む20数頭の元競走馬が暮らしている。

 ここには、1998年のデイリー杯3歳ステークスなどを勝ったエイシンキャメロン(セン19歳)、'03年の阪神大賞典など重賞を3勝したダイタクバートラム(セン17歳)、'99年の福島記念などを勝ったポートブライアンズ(セン21歳)、'04年と'05年の京成杯オータムハンデを連覇したマイネルモルゲン(セン15歳)、'01年のエプソムカップなどを勝ったアドマイヤカイザー(セン19歳)、'03年の東京新聞杯などを勝ったボールドブライアン(セン16歳)といった重賞勝ち馬や、サンデーサイレンスの全妹のサンデーズシスなど、20数頭の元競走馬がいる。

【次ページ】 毎年7000頭生産されるサラブレッドの多くが食肉に……。

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酒井政明

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