甲子園の風BACK NUMBER
甲子園はブラバンにとっても晴れ舞台。
応援“だけ”で選ぶ強豪校はこの6校!
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/08/05 11:30
昨夏の甲子園準決勝は、両校ともに日本屈指の応援団を擁する大阪桐蔭vs.敦賀気比だった。残念ながら今夏は大阪桐蔭が敗退してしまったが……。
「ファンファーレ」「ワッショイ」という天理の名曲。
「ファンファーレ」は天理の吹奏楽部初代指揮者の矢野清氏が作曲したもので、今では多数の学校が採用するほか、阪神タイガースも応援に取り入れている。天理では単純に「ファンファーレ」と呼んでいるが、他校では「天理ファンファーレ」と呼ばれることが多い。
「ワッショイ」は、天理教音楽研究会管楽部の常任指揮者だった、石崎一夫氏による作曲。「相手をたたみかけるように攻撃し、アルプスがひとつになるような曲を」と作られたもので、徐々にテンポアップしていくのが特徴だ。「甲子園で『ワッショイ』を一緒にやりたい」というファンも多く、同曲を吹くチャンスがなかった試合の時は、終了後、学校に「なぜワッショイをやらなかったんだ!」というクレームの電話がかかってくることもあるのだとか(笑)。
高岡商業(富山)の吹奏楽部も、マーチングコンテストや吹奏楽コンクールで毎年のように全国大会に出場する強豪で要注目。
マーチングの得意な学校に共通しているのが、キレのある動きと、演奏にスピード感があるという点。特にチャンステーマの「ホース」は必聴。左右にキビキビと動きつつ、高揚感にあふれ、応援席全体の士気が高まる勇ましい演奏は、グラウンドで闘う選手たちにとっても大きな力となることだろう。
「ここのスシ屋は日本一」を「うちの打線は日本一」に。
「アフリカン・シンフォニー」や「SEE OFF」など、多くの学校が吹いているおなじみの曲を演奏しても、断然骨太で男っぽく聴こえるのが敦賀気比(福井)。
激しくたたき続けるスネアドラムの「ドンドコドンドコドンドコドコドコ」というリズムに、重厚感のあるバスドラムという、打楽器のダブル使いが決め手であろう。リズムが独特なので、アルプススタンドの音を聴くだけで、一発で敦賀気比とわかるのが特徴だ。
見ていて楽しい気持ちになる応援といえば、鳥取城北の「スシ食いねェ!」(シブがき隊)がイチオシ。野球部員たちが、「ここのスシ屋は日本一」の歌詞を、「うちの打線は日本一」と替え歌を歌いながら、真っ赤なメガホンを振るパフォーマンスが目を引き、思わず見入ってしまうこと間違いなし。