予選6割越えの関東一・伊藤を三塁手として指名。

　オコエ瑠偉ばかりが「スーパー外野手」として報道されているが、関東一高の4番をつとめる伊藤雅人（3年・178cm80kg・右投右打）のスーパースラッガーぶりを取り上げないわけにはいかない。第6日目第2試合だ。

　今のチームでは遊撃手だが、適性は昨季までの三塁手とみる。

　東東京予選での6試合、オコエ瑠偉も4割4分をマークしたが、伊藤雅人のほうは、8四死球を奪いながら、なんと6割8分4厘と猛打を奮った。

　ただ、すごいのは数字じゃない。その裏づけとなる技術のほうだ。

　高校野球はもちろんのこと、大学野球でも、多くの打者が、基本的には「ストレート待ち」である。その中でこの選手のバッティングは、変化球を待ちながら、速球にも対応できている。

　変化球待ちだから、体の開きが最小限。バットがインサイドアウトに振られるので、センターから右中間方向へ伸びる打球が難なく打てて、ちょっとタイミングが早ければ、左中間方向へ距離を出す。

　甲子園では投手のレベルがー気に上がる。

　変化球でカウントをとり、別の変化球で勝負してくる。そんな“プロ顔負け”の攻め方をしてくる快腕が何人もいるそんな状況でこそ、この選手の技術が一段と光りを増す。

東海大相模・杉崎は小さなスラッガー。

　遊撃手に移ろう。

　今年の東海大相模は、投手陣がすごいばかりじゃない。どんな投手相手でも、ほんとによく打つ。

　その中核になっているのが、杉崎成輝遊撃手（3年・171cm68kg・右投左打）。第7日目第1試合の聖光学院戦は、優勝候補同士の激突という意味でも見逃せない。

　サイズはコンパクトでも、バッティングの本質はスラッガー。ここまで、高校通算35本塁打と聞く。

　県大会で、練習試合で、昨年の秋から何本もアーチを見てきた。しっかり呼び込んで、下半身の回転を起爆剤にフルスイングで運んでいく「王道のスイング」。ポール際の“経済コース”なんかじゃない。右中間、左中間、そしてバックスクリーンと、堂々の大アーチばかり見てきた。

　なかなかエラーをしないフィールディング。これも、杉崎選手がこの1年をかけて獲得した大きな財産だろう。打球に対する初動の速さと、捕球→送球のリズミカルな連動。終始、低く動けているのが高精度につながっていると見た。

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