一塁手は花巻東・佐藤のフルスイングに期待。

　一塁手だって、清宮幸太郎ばかりじゃない。

　第2日目の第1試合は、ちょっと早起きをして花巻東高・佐藤唯斗一塁手（3年・190cm83kg・右投右打）のバッティングに注目だ。

　岩手ではいつも“本命”と目されるチームのキャプテンが、6月の東北大会をケガで欠場した時は穏やかではいられなかっただろう。

　夏の本番までおよそ1カ月、足のかなり重い故障だったのに、よくここまで立て直してきた。岩手県予選では、チーム1の6割近い打率、その上決勝戦の延長では試合をきめるヒットを放った。

　そんなもんじゃない。

　何より凄いのはその体躯だ。タイミングが合った時の長打力は、高校生のレベルをはるかに超える。自分のいちばん力の入るポイントと姿勢で、ガツンと振り抜けるスイングスタイル。予選ではまだ故障明けの足をかばって加減したスイングに見えていたが、そこからまた数日が経っている。

　下半身の回転がバットを振らせている。そんな豪快なフルスイングが、甲子園なら見られるはずだ。

二塁手は2年生の“できる”ヤツ、白樺学園・後藤。

　今だからいうわけじゃないが、実は前回も、二塁手はどちらにするかでずいぶん迷ったものだ。迷った相手は、白樺学園高・後藤博希二塁手（177cm68kg・右投右打）。第3日目・第4試合に出場する2年生だ。

　2番打者だから、野球は上手い。送りバントにエンドラン、追い込まれたら進塁打。攻めのバリエーションをいくつも持った選手だが、単に走者を進めるだけでなく、ヒットでチャンスをさらに広げられる技術が頼もしい。2年生だが“できる”ヤツ。私が大学野球の監督なら、3年生そっちのけでも、この選手を先に獲りに行く。

　白樺学園・後藤二塁手のプレーを現場（球場）で見る機会のある方は、ぜひしばらく彼の動きだけを追ってみていただきたい。

　内野ゴロでの一塁手のバックアップに、長打を打たれた時のカットプレー。

　なんでキミがそこにいるの……？　次の次ぐらいの展開を読んで動ける彼のフィールディングを、ぜひ堪能してほしい。

【次ページ】　予選6割越えの関東一・伊藤を三塁手として指名。