サムライブルーの原材料BACK NUMBER
ピッチの「内外」で信頼される男。
“宴会部長”槙野智章の偉業の数々。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/07/31 11:00
代表でも吉田麻也とCBコンビを組んでスタメンに名を連ねる試合が増えた槙野智章。キャラクターの印象が先行しがちだが、今季の浦和の堅守は槙野の守備力によるところも大きい。
プレイヤーとしての能力も覚醒中。
矢野氏の『通訳日記』には、2011年のアジアカップでケガの回復が見込めない槙野に対して、ザッケローニが帰国を通達するシーンが記されている。本のなかで指揮官は本人にこう語っている。
「人間的にも、君のキャラクターはチームにとって大切なものだと思っている。(中略)個人的には、クラブに戻らずチームに残って欲しいと思っている」
ザッケローニは選手に対して本音で向き合う人だ。実力のみならず、明るいキャラクターを評価する言葉を直接伝えていた。
今の槙野智章は浦和レッズのステージ優勝に貢献するなど、プレイヤーとしても殻を打ち破りつつある。逞しさを身につけ、守備における強さ、速さ、激しさをハリルホジッチは買っている。
今日7月31日は、興梠慎三の誕生日――。
中国・武漢で開催される東アジアカップは、国内組オンリーのメンバーで初招集組も少なくない。8日間で3試合という厳しい日程に加えて、高温多湿の酷暑もある。それに過去、中国で開催された近年のA代表戦は激しいブーイングにさらされてきた。心身ともにストレスのかかる大会だからこそ、槙野がピッチ内、ピッチ外で盛り上げていく必要がある。
ベテランも若手も中堅も、そして監督までも巻き込んでいく槙野というエネルギー。
選手の生年月日をあらためて確認してみると……いたいた、7月31日は浦和レッズの同僚、興梠慎三の誕生日である。
夕食後のひととき。
選手、スタッフの前に、バースデーケーキとともに彼がさっそうと現れるに違いない。