松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹が全英で進んだ“一歩分”。
三歩進んで二歩さがるメジャーの道。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byMaki Uchida
posted2015/07/21 11:20
セント・アンドリュースでの全英オープンは初体験だった松山英樹。2日目には優勝したザック・ジョンソンのベストスコアと同じ66を記録し、世界トップクラスの力を改めて証明した。
「ねえねえ、松山くん。水前寺清子って知ってる?」
「三歩進んで、二歩さがる」
いつしか、そんな昔々の歌の文句が頭に浮かんできた。
取材への対応を終えた松山は、あっという間に笑顔になった。悔しさを隠すため、忘れるための無理な笑顔だったのかもしれないけれど、気持ちをスパッと切り替えようとする彼の姿勢はアスリートらしくて爽やかだ。
「ねえねえ、松山くん。水前寺清子って知ってる?」
「知らない」
「だよね。それじゃあ『三歩進んで二歩さがる』って歌は?」
「あ、それ知ってる!」
メジャー優勝を追い求め、前進するアナタの歩みも、そんな感じではありませんか?
「うん……どうだろう? そうなってくれたら、いいな」
きっときっと、そうなるよ。立ち止まりさえしなければ――。