セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
破産後に首位ユベントス撃破も……。
消滅したパルマFC、その後。
posted2015/07/15 10:40
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
パルマFCが破産してから、はや4カ月が経とうとしている。
総負債額2億1800万ユーロを抱えこんでいたパルマFCの破産請求を、パルマ地方裁判所が受理したのが、3月19日だった。
チームは昨季のセリエAで、あえなく最下位に終わった。経営陣には司法の手が入り、選手や関係者は散り散りとなった。
かつての強豪にはもはや見る影すらない。パルマFCは消滅した。
騒動は22人逮捕の国際詐欺疑惑にまで発展。
昨シーズン中に発覚した給料未払いから、巨額の国際詐欺疑惑にまで発展したパルマFC破産騒動は、3月18日の前会長ジャンピエトロ・マネンティ逮捕によって、大きな山場を迎えた。容疑は、大量の偽造クレジットカードによるマネーロンダリング行為で、同日逮捕された共犯者の数は22人にも上った。
莫大な負債を残した元会長トンマーゾ・ギラルディと前GD(ゼネラル・ディレクター)ピエトロ・レオナルディらクラブ財務に携わっていた経営陣の自宅も、脱税と詐欺の疑いで大規模な家宅捜索を受け、資料やPCを押収されている。
翌19日、パルマFCに破産宣告を出したパルマ地裁は、専門家の会計弁護士2人を管財人として任命。彼らは日本でいう会社更生手続にのっとり、リーグ機構が用立てた500万ユーロを元手に、リーグ戦を完遂させるための暫定予算を組み、法務整理に入った。同日夕方、パルマ市長フェデリコ・ピッツァロッティは、管財人2人へホームスタジアム「タルディーニ」の使用許可を与えた。
管財人らは、すぐさまコッレッキオ練習場へ足を運び、ドナドーニ監督やルカレッリ主将らチームと面談、今後の動きについて話し合った。サッカーの現場に疎い管財人へのコンサルタント役には、前サッカー協会副会長のデメトリオ・アルベルティーニも加わった。司法と各方面からサポートの手が差し伸べられたことで、ひとまずシーズン終了までの道筋は立った。