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武藤嘉紀がドイツでメッシになる?
『ビルト』紙の評価とチームでの役割。
posted2015/07/15 10:50
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph by
Bongarts/Getty Images
2014-15シーズンのマインツが抱えていた課題の1つは、フィニッシュの局面における迫力不足だった。
理由は至ってシンプル。今夏にプレミアリーグのレスターに移籍した岡崎慎司を除いて、卓越したゴールセンスを備えたアタッカーが存在しなかったのだ。
とくに物足りなかったのはウインガーの得点力で、ヨナス・ホフマンは3ゴール(12試合出場)、ハイロ・サンペリオ(22試合出場)は2ゴール、パブロ・デブラシス(20試合出場)とクリスティアン・クレメンス(9試合出場)は1ゴール止まりだった。
4人の得点数を足しても、岡崎が1人で挙げた12ゴールに遠く及ばなかった。
マインツの強化部門が今オフ、武藤嘉紀とマクシミリアン・バイスターというサイドで活きるアタッカーを獲得したのは偶然ではない。両雄に求めているのはもちろん、前線の破壊力アップに直結する働きだ。
それは百も承知だったのだろう。武藤は入団会見で「マインツの勝利のために、ゴールやアシストなど目に見える結果を出したい」と口にしていた。
現地メディアは「次のメッシ」と評価は上々。
その武藤に対するマインツの期待は非常に大きい。
移籍金の推定額はクラブ史上3番目に高い280万ユーロで、背番号は「9」に決まった。『ビルト』紙が「次のメッシがマインツから生まれる?」と大胆な見出しを打つなど、現地メディアの注目度もまずまずだ。まずはこうした周囲の重圧に打ち克つ必要があるが、武藤本人は「プレッシャーがあるのはサッカー選手としてやりがいがある。そのプレッシャーを楽しめるように頑張りたい」と頼もしい言葉を発している。
では、ドイツ語の習得に熱心に取り組むなど、環境適応にも余念がない武藤がブレイクするには他に何が必要か。