スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
オールスターと期待の脇役。
~キプニスとアレナドに注目~
posted2015/07/08 10:50
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
MLBオールスターが近づいてきた。今年は7月14日、シンシナティのグレート・アメリカン・ボールパークが開催地だ。
今季は、投票の偏りが物議を醸した。端的にいうと、ア・リーグで組織票が広がり、一時期などは9人(野手8人+指名打者)のうち8人までがロイヤルズの選手に占められるありさまだったのだ。最終的には逆転が相次いでいくらか収まったが、それでも9人中4人がロイヤルズ。青いユニフォームを着た先発選手が目立つオールスターになりそうだ。
では、先発選手の集計結果と、私の投票したかった選手を列記してみよう。
捕手 :S・ペレス(ロイヤルズ)→R・マーティン(ブルージェイズ)
一塁手:M・カブレラ(タイガース)→P・フィルダー(カブレラはDL入り)
二塁手:J・アルトゥーベ(アストロズ)→J・キプニス(インディアンス)
三塁手:J・ドナルドソン(ブルージェイズ)→J・ドナルドソン
遊撃手:A・エスコバル(ロイヤルズ)→J・イグレシアス(タイガース)
外野手:M・トラウト(エンジェルス)、L・ケイン(ロイヤルズ)、A・ゴードン(ロイヤルズ)→M・トラウト、L・ケイン、Y・セスペデス(タイガース)
指名打者:N・クルーズ(マリナーズ)→N・クルーズ
上記の選手以外では、若手のM・マチャド(オリオールズ)やX・ボガーツ(レッドソックス)、さらには復活したA・プーホルス(エンジェルス)のプレーも見てみたい。
28歳のキプニスと22歳のマチャドは要注目。
なかでも注目すべきは、キプニスとマチャドではないか。
まずキプニスだ。年齢は28歳。アルトゥーベ、D・ペドロイア、I・キンスラーと、今季のア・リーグには好調な二塁手が多いが、不振のインディアンスで孤軍奮闘するキプニスがいまの調子を維持すれば、MVPレースでも有力候補に挙げられるのではないか。6月28日現在、打率(3割4分2厘)と出塁率(4割1分8厘)はともにリーグ3位。盗塁10(リーグ15位)と守備の巧さも眼につく。
一方のマチャドは、なんといっても22歳の若さが魅力だ。打率(3割5厘)がリーグ8位で出塁率(3割6分2厘)が17位というのは「打ちたがり」の証明だが、裏を返せば、イチロー同様、速いペースで安打数を積み重ねていくかもしれない。現在の通算安打数は419本。気の早い話だが、もしあと15年、無事に働きつづけられたら(年間175安打のペースを守れたら)、将来のマチャドは大器トラウト(23歳)と並んで3000本安打を達成するかもしれない。