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「キーマン?」に首を振った岩渕真奈。
なでしこの切り札の“余裕と太腿”。 

text by

了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph byAFLO

posted2015/07/01 11:00

「キーマン?」に首を振った岩渕真奈。なでしこの切り札の“余裕と太腿”。<Number Web> photograph by AFLO

155cmという身長にもかかわらず、オーストラリアの屈強な選手達に対しても決してあたり負けない岩渕真奈。試合終盤に入ってくる彼女が試合を決める姿はまた見られるだろうか。

「(腿が)サキよりも全然太いんで」

 指揮官には得点を、と送り出されていた。

「ノリさんには、お前が決めろよって言われて。そろそろ決めたいなって思って、ピッチに入って。自分にとっては良かったなと思います」

 本人を含めた誰もが望む、待望のゴールが決勝点となり準決勝進出を決めた。

 彼女を支えるのは、昨季から所属するバイエルンミュンヘンで得た自信だ。

「ドイツでやれてる自信で、余裕が出てきました。体も少しは大きくなりましたし、今までは相手に正直びびってた部分がありましたけど、そういうのがなくなったかなと」

 バイエルンは、フランクフルトやヴォルフスブルク、ポツダムといった強豪を倒し2014-15シーズンでリーグ優勝を果たしている。その中でレギュラー争いに勝ち抜いた自信が現在につながる。相手がどの国の誰であれ、余裕を持って戦える精神的な余裕を得たわけだ。

 また、ドイツでの3シーズンで、腿の太さが増したとも明かす。

「もともと筋肉質なので、ズボンはたしかに選ぶのは難しいです。(身長の高い熊谷)サキなんかよりも全然太いんで、本当に全然太いんで、でもこれがあるから自分があると思って」

 安定感あるプレーを生みだす、自らの武器を磨き上げた日々でもあった。

ここまでなでしこの7ゴールは全て違う選手。

 今大会、ここまでなでしこは5戦7ゴール。全て違う選手が決めているというのは、どこからでも点が取れる事の証でもあり、逆に言えば決定的な得点源がないということでもある。これからも、右ひざに未だに時折痛みを覚えるという岩渕が先発起用される可能性は低いだろう。だが、粘った末に彼女が後半途中出場で決めるという一つのパターンが定着すれば、心強いことでもある。

「本当に1試合1試合自分たちにとって大切な試合なので、次に向けて良い準備をするのがまず1番ですけど、本当にこのチーム、このメンバーであと2試合戦えるのは今、嬉しいし一つでも良い結果を残せるようにまたみんなで頑張りたいと思います」

 準決勝イングランド戦、再びキーマンとなることが出来るだろうか。

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